夜中のメール ― 2008年06月20日 23時47分53秒
いくら言ってもわかってもらえないこと、というのがありまして。
私のところには、学生さんからよくメールが入ります。指導の時間相談とか、質問とか。その中に、「夜分遅く失礼します」「夜遅く申し訳ありません」というのが、結構ある。私はそのたびに、「君ね、E-Mailはいつでも読めるのがいいとこなの。夜分遅く失礼は必要ないの」、と言い含めていました。
それでも、似たようなメールが次々とやってくる。私はその都度、切歯扼腕です。今日図書館で学生に会ったら、「昨日10時過ぎに、遅くて失礼かと思ったのですが、メールしました」と言うではないですか(←届いていない)。私は天を仰ぎ、慨嘆しながら、「君ね、メールはいつ出しても関係ないの。電話掛けているんじゃないんだから」と申しました。すると学生が曰く、自分の携帯はメールが来ると音が鳴るように設定しているので、ご迷惑だと思った、とのこと。
そういうことなんですね。知りませんでした。
タクシーの中で ― 2008年06月13日 23時08分30秒
朝の出勤は、立川駅からたいていタクシーに乗ってしまいます。10分を節約するためです。後ろ座席の安全ベルトは掛けにくいですね。こわれているクルマも、2つありました。
今朝のタクシーでは、お笑い町巡りのようなラジオ番組がかかっていました。かなり大きな音量で、運転手さんが楽しんでいるようです。私は考え事をしたかったので、邪魔に思い、止めてもらおうかどうか、考えました。そして心を決め、「あの、ラジオ、ちょっと、いいですか」と言うと、運転手さんは無言でスイッチを切りました。
車内は静かになり、考え事ができるようになりました。しかし私が下車するまで考えたのは、私の行動が適切であったかどうか、ということです。自分が客なのだから、聞きたくないラジオは止めさせてかまわない、という考えが1つ。運転手さんが聞きたいのだから、止めさせるのは乱暴だ、という考えも1つ。どちらが正しいんでしょうね。私が止めてもらう決め手としたのは、勤務時間にラジオを聞く正当性はあまりないんじゃないか、という判断です。
お金を払って降りるとき、運転手さんが愛想良くしてくれたので救われました。最初の授業は「歌曲作品研究」でシューベルトの《ガニュメート》でしたが、担当した2人の学生が卓抜で、よい一日になりました。
7人がけ ― 2008年06月11日 23時15分38秒
今日は、本を読んでいて電車を乗り過ごすことを2回やってしまいました。行きは地下鉄を飯田橋で降りるところを、2つ先の竹橋で気がつく。帰りは混んでいたので立って読んでいましたが、やっと座れたのでやれやれと思ったら、「次は立川」というアナウンス。自分の降りる駅で座ってしまったのです。
どうせミステリーでしょ、とおっしゃいますね。違うんだなあ。土曜日のシンポジウムのために、別の芸術分野における戦後史を、にわか勉強しているのです。今日は、舞踊の歴史をひもといていました。
ところで、最近の車両は1列を2-3-2に分ける仕切りがついていますが、あれって、すばらしい発明だと思いませんか。仕切りがないと、6人でも埋まってしまい、入り込むのに気が引ける。しかし仕切りがあると、7人でも悠々と座れるのですね。心理的な効果だと思います。それとも、新しい車両は少し長いのでしょうか。
ルルちゃん闘病記 ― 2008年06月05日 21時24分51秒
私が国立に住むようになってから、家にはいつも犬がいました。最初が柴犬のメス。次がシェットランド・シープドッグのメス。次がヨークシャー・テリアのメス。次がポメラニアンのメスです。ポメラニアンのルルちゃんは、ブログの初期に紹介した子です。
このルルちゃんが、てんかん持ち。ときどき発作を起こします。調べてみると、脳に疾患があり、肝機能もひじょうに悪い。客観的に見て、不良品を買わされたんじゃないかと思います。お手もお座りもできないのですが、顔はとてもかわいく、皆でかわいがっていました。
ところが最近、発作が頻発するようになった。その都度タクシーに乗せて動物病院に駆け込むのですが、お金が結構かかり、合計すると天文学的数字になってきました。セカンド・オピニョンも必要、ということで違う病院に行ってみると、体が小さいのだからそんな強い薬を打ってはだめだ、発作は治っても体がダメになってしまう、と言われ、考え込む。動物医療は、人間ほど神経を使わない世界なのでしょうね。
看病を見かねた先生が、このままではたいへんだから自分にくれないか、と言ってくれました。症例として研究し、新薬も試してみたい、とおっしゃるのです。寝てばかりで、いつ死んでもおかしくないような状況でしたから、先生のお言葉に甘えることにしました。まだ存命中、年齢は5歳です。
さてそうなると、犬なしでは1日も暮らせないわが家のこと。子供たちがショップめぐりを始め、絶対これ、というのを見つけてきました。それが写真のリクちゃん(変な名前ですね)。当家初のオス犬です。反応がよく元気いっぱいで、家の中が急ににぎやかになりました。
新しい家族 ― 2008年06月04日 23時56分26秒
諸般の事情から、当家に新しい家族が加わりました。マルチーキー(マルチーズとヨークシャー・テリアのハーフ)のオス、3ヶ月弱。事情は次のブログで。
星 ― 2008年05月26日 23時44分50秒
今日のニュースで、火星の北極の貴重な映像が配信されていました。それなのに、さして感銘を抱かない自分に驚きます。なぜなら、小学校の頃私は天文少年で、望遠鏡を組み立て、宇宙への夢をふくらませていたからです。年をとったのでしょうか、それとも、今もう宇宙に夢を抱く人は少ないのでしょうか。
やはり、宇宙がどういうところか、科学が教えてくれたことが大きいと思う。宇宙旅行の小説に、わくわく感をもてなくなりました。もうひとつは、星を見る経験をさっぱりもてないことです。長いこと、星らしい星を見ていません。やはり星を見る経験が、人間のロマンを育てるのではないでしょうか。ワーグナーの《タンホイザー》第3幕の〈夕星の歌〉など、星を見てはるかに思いをはせる経験がなければ湧いてこない音楽だと思います。
小学校5・6年生の頃、松本の郊外から見た夜空は、ものすごいばかりの星の数でした。彗星が長大な尾で天を掃いていた光景も覚えていますが、やや暗めの星でしたから、今なら話題にならないかもしれません。最近は自然の中に泊まっても、灯火が闇を邪魔していて、星が見えないことがよくあります。昔は良かったな、と思うことのひとつです。
個人情報 ― 2008年05月24日 23時59分01秒
今日は、朝日カルチャーセンター横浜校の年度初め。カルチャーで一番長くやっているのがここで、今年度は「バロックの名曲を聴く」シリーズの後半です。
開講にあたり、じつに久しぶりの、受講生自己紹介をしました。やってよかったと痛感。多少の人間的触れ合いがなくては、こうした講座の意義も半減するからです。昔は結構密な接触もあったなあ、と思って気づいたのは、昔いつも渡していただいていた受講生名簿を、ここ数年は手にしていないことでした。個人情報を大切にする流れの一環なのでしょう。
音楽之友社の「音楽手帳」には音楽関係者の連絡先がずらりと載っていましたね。最初に載ったときにうれしかったのを覚えています。あれも、最近見ませんよね。職場の名簿も廃止され、連絡を取るのが不自由です。いまだに紳士録の調査が新聞社等から来ますが、これは弊害もありますから、レスポンスしていません。
便利が大事か、悪用を防ぐことが先か。ブログなるものも、個人情報に関しては微妙な位置にあります。今日も、家族のことを書こうかと思い、いや待て、と思い直して、こういうテーマにしている次第です。
住所は個人情報、電話番号も個人情報、ということになると、書類や郵便が捨てられない。みなさん、どうしておられるのでしょう。全部シュレッダー、というわけにもいかないし。
こういう時代ですから、OS君も張り切って保護に協力してくれています。ノートパソコンでデスクトップのフォルダを1階層下に移そうと思ったら、許可されていない、の一点張り。やれやれ、研究しなきゃ。
虫が知らせる? ― 2008年05月21日 23時17分47秒
皆さんにも経験がおありのことだと思いますが、何か意味があるのでしょうか。
今朝、かなりゆっくり寝た感じで、はっきり目が覚めました。そうしたら、いろいろな心配事が、頭を去来し始めた。長いこと会っていない親族はどうしているだろうか、というようなことも考えました。いつにないことなので、「虫が知らせる」という言葉を思い出し、不安になりました。
ところが、時計を見ると、まだ4時なのです。3時間足らずしか、寝ていない。しかし頭が完全に冴えてしまったので起き出し、メールをたくさん書いて、仕事の処理などをしました。本欄をお読みの方にも、私からの早朝メールが届いた方がいらっしゃることでしょう。朝食後布団に入ったら、案外ゆっくり寝ることができ、夜のコンサートに差し支えずに済みました。
今のところ、何も変わったことはありません。でもよく、そういえばあの時胸が痛くなった、といった話を聞きますよね。何らかの根拠があることなのでしょうか。後日検証できればと思います。
誕生日の心境 ― 2008年04月30日 21時38分54秒
今日誕生日を迎え、62歳になりました。
父がこの年齢の頃は、かなり衰えていたのではないかと思います。今はこの年でもそれなりに仕事ができるのですから、ありがたいですね。60代なんて、以前は想像もつきませんでした。しかし別の人生に入るような変化は、どうやらないようです。学生さんたちとの距離も、思ったほど遠くなった感じはしません。むしろ、対人関係は、楽になったように思います。
野心や欲は、前以上になくなってきました。好きなことを好きなようにやりたい、しかしやる以上は、自分に恥じない仕事をしていきたい、という心境です。できるだけ、正直でありたいと思います。
「腹を決めて」で触れた批評は、月曜日(28日)の毎日新聞夕刊に出ました。対象をぼかしていましたが、ザルツブルク音楽祭制作のオペラ《フィガロの結婚》です。ドイツ人演出家、クラウス・グートの演出は私にとって絶対に受け入れることのできないものでしたので、そのことをはっきり書き、理由を示しました。受け取り方はさまざまでしょうが、私自身は、さっぱりした気持ちです。ちなみにデスクの付けたタイトルは、「自らの着想に惚れ込む演出」というものでした。
そのことをここで再び論じることはいたしませんが、批評の最後の文章は私の信念に相当する部分なので、引用させて下さい。「こうした演出はたしかに、いま世界で脚光を浴びている。だが流行は、かならず古くなる。いつまでも新しいのは、ささやかであっても、まじめに本質を追究する営みである。そのようにモーツァルトに向かっている人は、私の周囲にもたくさんいる。」
むしろシルバーウィーク ― 2008年04月28日 21時52分00秒
ゴールデンウィークは、一説によれば、先週の土曜日から。異論のない始まりは、明日の29日(火)でしょう。私の大学では今まで、29日から5月5日ないし6日まで、連休になっていました。
しかしもうそんなことが許されないのは、言うまでもありません。今年は、29日が授業日となり、30日(←私の誕生日)から5月2日までは暦通り、となってしまいました。まったく様変わりした、この1週間です。ゴールデンがシルバーとなった、という印象でしょうか。
だいたい判明した、前期の1週間。月曜日は、大学院の音楽美学と持ち回り発表のゼミ(隔週)、博士の個人指導2人と、1つ~3つの会議。火曜日は弦楽器の作品研究と修士の個人指導8人、博士1人、放課後はバッハ研究のプロジェクト(またご案内します)。水曜日は理事会(隔週)。木曜日は休みで、ときどき病院。金曜日は歌曲作品研究と西洋音楽研究の演習2つ(1年生、2年生)、博士の個人指導1人。土曜日はカルチャー、市民講座、学会。
充実しているとも言えますが、以前と比べて、自由裁量がしにくくなりました。おかげさまで体調がいいので、がんばれています。
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