今年の初審査 ― 2008年01月20日 21時10分53秒
昨日、今日は、合唱コンクールの審査をしてきました。モノは埼玉ヴォーカル・アンサンブル・コンテストの中学校の部(土曜)と、ジュニア・ユース・レディ・一般の部。場所は所沢ミューズでした。
いつもはたいへんに辛く、罪に罪を重ねているように思えて、もうやめにしよう、と何度も考えた審査ですが、今回はスタッフや審査仲間にも助けられ、楽しささえ感じる充実感で、仕事をすることができました。その過程で、自分の音楽の聴き方というものが、かなりわかってきた。審査に一定の客観性を与えるためには、自分の聴き方、自分の判断の傾向というものを認識することが、とても重要です。
それがどういうものか、書いてもいいのですが、今書くとこうした価値観で採点した、と宣言するのと等しくなってしまいますので、機会を改めて書くことにします。いずれにしろ、自分なりに説明のできる採点が、良かれ悪しかれやっとできるようになってきたかな、と感じています。
埼玉県は全国的にも合唱レベルの高い県で、いい演奏がいくつもありました。ここでは全体の順位とは別に、私的に印象に残った団体をひとつだけ、一般の部から挙げておきます。それは「コーロ・ピアチェーレ」というさいたま市のアンサンブル。彼らはミリケンという現代作曲家(豪)の〈キリエ〉を歌ったのですが、現代のテクスチャーからグレゴリオ聖歌の雰囲気が立ち上るように演奏されたのには驚きました。見事な洞察力。カップリングの武満徹も、心のこもった演奏でした。これは、ほんの一例です。皆様、お疲れさまでした。
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