相づちは必要か2010年05月09日 22時40分53秒

テレビを見る(=かけておく)のは昔からですが、見る番組は、大きく変わってきました。最近は、自分でも驚くのですが、報道番組ばかり見る。どの局も、わかりやすい解説を心がけているようで、報道にちっとも興味のなさそうな若いタレントに論評させるような番組も、よく見かけます。

これ以上わかりやすいのはない、というほどかみ砕いた解説を売りにする、ある報道番組。タレントが大勢、聞き役になっています。するとこの外野席が、やけに相づちを打つのですね。「へえ~」「そっかあ」「ほーー」などと、休みなく反応する。これって、絶対やらせですよね。大学の授業で学生がいちいち「へー」「ほー」と相づちを打つことなど、考えられません。

なぜ、相づちが必要なのでしょうか。盛り上げ役?権威付け?感心できませんね。そこには、批判的に聞く知性が、まったく介在していないからです。

世相や社会の出来事を解説するとき、答えは1つではありません。どんな権威を招いても、人によって言うことは違いますから、それぞれを参考にしながら、何が正しいのかを考えていかなくてはならない。話す方も、そういう聞き方をしてくれると思えばこそ、個人的な意見も主張できるわけです。口々に「へー」「ほー」と言って欲しいと思う人は、いないと思う。視聴者を尊重していれば、こういう番組作りはできないはずなのですが。