ホーム上で2012年07月07日 01時13分48秒

座席の隣に荷物を置いている人って、いますよね。荷物を膝の上に移せば人が座れるのだが、立っている人がいるのに、そのままにしている。座らせろという意思表示があるまでは、荷物に権利がある、と思っているかのようです。意思表示はそれなりにストレスですから、立っている人も、そこまではしない。バスではごく普通の光景ですが、いやだなと思っていました。

TBSの《マタイ受難曲》に出かける途中の、国立駅。ホーム上に、待合席があります。5人がけで、座っているのが3人。向こうから2つ目が空いており、一番手前の席には箱のようなものの入った、小さな袋が置いてありました。持ち主は、30代とおぼしき男性です。

この袋がなければ座れるのにな、と思いました。混んではいないが、立っている人もそれなりにいる状況。向こうから2つ目の空席にいけば問題はなかったのですが、ここで私に、闘争本能が生じてしまったのです。この端の席に座りたい、という気持ちが生まれました。座らせてくれませんか、という必要はない。袋は小さいので、端にちょこっと腰掛ければ、男が袋をどかすだろう、と思ったのです。

まず、いかにも座りたそうに、側に立ってみました。反応なし。そこで決行。予想に反したのは、袋にさらわずに座るつもりが、袋に接触してしまったことでした。そうしたら、男が激怒したのです。「袋の上に座った、謝れ。」「いや、少しさわっただけだ。」「いくらでも空席があるだろう。」「ここは荷物の座るところではない。」「座らせてくれ、となぜ言わないのか。」「そんな必要はない」--などなど、しばらく、喧嘩腰の対話。これ以上突っ張ると危ないな、と思ったので切り上げ、「それはすみませんでしたね、ごめんなさい」と下手に出ました。ただし、目を見ながら笑顔で、半分からかうように。男は「ケッ!」と言って荒々しく場所を移動しましたので、私は電車が来るまで、ゆっくり座ったのでした。

いい気持ちはしませんでしたが、不愉快の度合いは向こうがはるかに上だったことでしょう。でも、もういたしません。