髪型2012年10月21日 13時20分48秒

NHKの「古楽の楽しみ」には、アシスタントが2人ついています。たいへん綿密な作業をしてくださり、うっかり間違いを救われたことが、何度もあります。先週録音に行ったところ、担当者の印象がとても変わっていました。そこで「あれ、髪型を変えられたんですか」とつい言ってしまい、しまったと思いました。

それには、古い記憶があります。大学に勤めたばかりの頃のことですからもう時効としていただきたいのですが、研究室の助手ががらっと髪型を変えてきたときに、「前の方が良かった」と言ってしまったことがあるのです。助手の笑顔が一瞬硬直したかどうかは気づきませんでしたが、多くの人から「それはまずいよ」と言われ、私もずっと気にしたまま、日を送ってきました。

時は過ぎ、世間でも、その手のことで女性が不快に思う話がしばしば語られるようになりました。ですから私も、気がついても気づかぬふりをする、たとえ驚いてもぐっと呑み込む、という人生を続けてきたのです。そうしておられる男性、多いのではありませんか?

こうした反応を身につけて死んでいくつもりでしたが、今回は、うっかり口をついて出てしまいました。ちなみにアシスタントの返答は、私の想定外のものでした。「気がついていただいてありがとうございます」--と彼女は言ったのですが、これって、ひとつの定番なのでしょうか。