ウィーン音楽祭開幕!2012年10月25日 12時22分36秒

24 日、「ウィーン音楽祭 in Osaka」が開幕。今回は新幹線で向かう段階で不思議なほどの気持ちの高ぶりを覚えていたのですが、満員のお客様の拍手が鳴り止まない、すばらしいスタートになりました。おかげさまです。

再招聘したウィーン楽友協会合唱団。メインの曲目はベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》と決め、もう一つ、コンサートを作りたいと思いました。しかしこの合唱団は、ムジークフェラインのステージで、ウィーン・フィルなどのオーケストラの後ろで名曲を担当するのが役割ですから、合唱曲ばかり集めたいかにも合唱団というコンサートは、なじまないのです。逆に合唱団の方から、モーツァルトの《レクイエム》とシューベルトの《ミサ曲第2番》をオルガン版で、という提案をいただき、オルガンを使えるのはありがたいということで、オルガニスト(ロベルト・コヴァーチュさん)の同行をお願いしました。

オルガン版でどこまでアピールできるものか、じつは自信がなかったのですが、意外にも注目が集まり、NHKの映像収録まで入ることに。チケット完売一番乗りという状況でコンサートを迎えることができました。

皆さんアマチュアなのに、ステージに勢揃いしたときの存在感は大したもの。シューベルトが始まって耳を打ったのは、熟成したやわらかい響きと、流れるような音楽性でした。あたかもウィーンという街そのものが歌っているかのようで、一朝一夕には作りようのない響きです。伝統の一部をなすのは、ウィーンがカトリックの風土だということですね。ミサ曲やレクイエムのテキストが、身体の一部になり切っているのです。

この合唱に、日本のソリストたち(半田美和子、井坂恵、望月哲也、若林勉)がすっかり溶け込んでいたのには驚き、また安堵しました。指揮者、アロイス・グラスナーさんの絶妙のご指導があったと伺いました。
大阪城の見えるレストランで歌い手の方々とワインを飲むひとときは楽しいものでしたが、ツキを使いすぎたのではないかと心配です。土曜日の《ミサ・ソレムニス》、まだチケットありますので、どうぞよろしく。