オルガンを知る美麗なプレゼン2013年05月11日 09時27分16秒

いずみホールに公式ホームページができたのはいつだったでしょうか。早く作るべきだと力説した記憶がかすかにありますが、現在はコンテンツが充実し、オンラインでチケットも購入できる、スグレモノになっています。

その公式ホームページに、「ヨーロッパにおけるオルガンのルーツ」という、すばらしいコンテンツがアップされました。オルガンの歴史が言語、宗教、風土などの文化とからめて論じられ、いずみホールのオルガンにも、成立経緯を含めて言及されています。美麗な絵や写真が満載されている目にも楽しい読み物ですので、興味のある方はぜひご覧ください。

この読み物、じつは、3月21日に小糸恵さん、佐治晴夫さんを交えたシンポジウムで、アルザスのオルガン・ビルダー、イヴ・ケーニヒさんが行った講演の日本語版です。ケーニヒさんが精魂込めて準備された講演だったのですが、専門的な内容のゆえに当日適切に通訳されず、後日WEBに掲載しますと、お詫びかたがた、お客様にお約束したのでした。元同僚でアルザスに留学経験のある友利修さんが、しっかりした翻訳を作ってくれました。こちらからどうぞ。http://www.izumihall.co.jp/pdf/20130321organmn.pdf

当日はケーニヒさんにもお客様にも申し訳ないと動転してしまった私ですが、こうして公開にこぎ着けてみると、ずっと多くの方に読んでいただけ、ホールの楽器紹介にもなりますので、ほっとしています。

ケーニヒさんには、氏が修復にかかわったフランス/ヴェズリーズのキュッティンガー・オルガンをジョアン・ヴェクソが演奏しているCD(AOV 002)をいただいていました。マルシャン、クレランボー、グリニー、クープラン、ギラン、セジャンにバッハを加えた選曲です。すばらしいCDで、響きの柔らかさ、高貴さにうっとりしてしまいました。様式に精通した名手の手にかかると、フランス・バロックのオルガン音楽は本当に美しいですね。いつか、こうした作品でコンサートをやりたいものです。