あらかわバイロイト!2009年05月14日 22時39分00秒

「あらかわバイロイト」。今年から始まるワーグナー音楽祭の名前です。「サンパール荒川」というホールは聞いたことがなく、じつのところ半信半疑で公開ゲネプロに出かけました(日暮里からタクシー)。公演は明日の金曜日から3日間ですが、時間がまったくとれなかったのです。

出し物は《パルジファル》。宗教的内容をもつ至難・至高の作品で、私のライフワークの1つに当たります。これがどんな風に再現されるのか。ロストック市立国民劇場との共同制作で、指揮も演出もそちらから入っていますが、私の感想は、おおフルオケだ、などという失礼なところから始まったのでした。

ところが、堂々の水準なのですね、これが。森の場面が聖堂内に変わり、不気味な礼拝場面が繰り広げられるあたりはすばらしい音楽が続きますが、田辺とおるさん(アムフォルタス)の圧巻の歌唱を得て、迫力充分でした。

こうしたイベントを地域に興すことがどのぐらい困難なことか、私にも想像がつきます。絶対に欠かせないのは、先頭に立つ人の志の高さと人間的な求心力です。その意味で、公演監督兼主役として全体を牽引しておられる田辺さんを、心から尊敬します。

明日までにCD/DVD選を仕上げなければならず焦っていましたので、重要な第2幕、感動的な第3幕は見ずに帰宅しました。ごめんなさい。