現代医学2013年05月09日 08時40分43秒

寿命が延び、歳を取ってもそれなりに元気でいられる(実年齢は昔の7掛け、という説もありますね!)のは、つまるところ、現代医学のおかげ。私は以前何度か大病をしましたが、入院、手術などで克服することができ、人一倍、ありがたみを感じています。ガンもある程度までは、治る病気になってきました。

昔は、ガンは不治の病であり、最後は壮絶死、というイメージが固定していました。それが変わってきたのは、なにより医学の進歩、とりわけ早期発見、早期治療の前進だと理解しています。ちなみに、私の親族にはガン死が多く、私も一度、「早期発見」の経験があります。

ところが最近、検診は受けるな、早期治療は無意味、ガン治療は商売、ということを主張する人があり、週刊誌その他で、さかんにもてはやされていますね。その流れで、病気の治療はしない方が安らかに死ねるという、極論とも思える勧めを述べる本も出てきました。本当でしょうか。

私は、早期発見・早期治療という医療界あげての実践が無意味だとはまったく思いません。それをやめれば、以前のような状態に戻ることになると思う。しかし医学の専門的なことはわかりませんから、「思う」だけです。医学の方々には、この問題をもう少し世間に向けて、わかりやすく論争していただくことはできないものでしょうか。そうすれば、安心して治療を受けられる人も多いと思うのですが。

コメント

_ 森口 ― 2013年05月11日 17時06分05秒

私はガン治療不要論に説得力を感じております。
数年前に父をガンで亡くしたときにも、大学病院での闘病の様子をかたわらでつぶさに見ておりましたが、放射線照射や抗ガン剤などのガン治療(疼痛緩和処置は除く)に意味があったのかどうか非常に疑わしいと感じました。
ガン治療不要論の代表的論客である近藤誠先生の著作を一読されることをおすすめします。「患者よ、がんと闘うな」をはじめとする一連の著作で、ご自身の治療経験や各種データを交えながら、専門知識のないわれわれ素人にも非常にわかりやすく問題を指摘しておられます。批判者に対する反論も書いておられますが、近藤先生の主張の方に理があると私は感じております。

_ I招聘教授 ― 2013年05月12日 10時10分08秒

森口さんコメントありがとうございました。抗ガン剤で闘病した方の末期などに接すると、おっしゃることはよくわかります。近藤さんのお考えも知っています。ただ、それに対する医療サイドの反論をもっと知りたい、という思いから、上記のことを書きました。

_ 森口 ― 2013年05月12日 11時53分33秒

礒山先生の記述を誤読しておりました。失礼しました。
近藤氏の主張に対する反論本も読んでみたことがありますが、論理性を欠いた批判ばかりで、まったく説得力を感じずがっかりした記憶があります。
早期発見・早期治療や積極的なガン治療を推進しておられる側の専門家からわかりやすい説明を聞きたいという気持ちは私も同じです。

_ 波女 ― 2013年05月14日 02時04分59秒

大変考えさせられる問題です。最近、連れ合いの友人知人(70代半ば)が、癌その他の手術や、負担の大きい度重なる検査治療の結果、寿命を早めたように亡くなる例が多く、従来の医療のあり方に、疑問を感じています。検査も、手術もしないでいても、余命は余り変わらなかったかも知れず、苦痛や、病院通いの負担がない分、むしろ良かったかも知れないと思えるからです。
その点で、森口さんと同様、近藤氏の著書に、共感を持ちますが、一方では、医療や先端技術を頭から否定するほどの見識もない一般人には、大事な家族や自分自身の命のあり方と、医療の選び方について、正しい方向を見定めることの困難さも感じます。
75歳以上の人には、原則、手術はしないという大学病院もあると聞きました。
ごく初期で、治る見込みがあるのに、見捨てられるのは困りますけれど、そうでないなら、お医者さんには、痛みの緩和くらいをお願いして、あとは、住み慣れた自宅で、通常の生活をし、音楽も聴き、少しずついろいろな人や、物に別れを告げ、穏やかに命を終えたいと、私自身は願っており(それに近い亡くなり方をした友人がいました)、自分で決める能力のあるうちに、文章化しておこうかと考えています。

_ I招聘教授 ― 2013年05月15日 17時56分23秒

波女さん、ありがとうございます。本当にむずかしい問題だと思います。医療全体を考えるといろいろなことがありすぎて意見もまとまりませんが、今回書いた趣旨は一点、早期発見・早期治療是か非か、という問題なのです。

だいぶ前ですが、検査で大腸がんが発見されたことがありました。内視鏡による切除で済むか、開腹手術すべきか、微妙なところだったようですが、その病院の先生が作られたガイドラインでは内視鏡の範囲内ということで、事なきを得ました。ありがたいことでした。

反面、ごく近い方がお二人、大腸がんの手遅れで亡くなりました。進行がゆっくりしたがんなのだから、検査すればよかったのに、という思いがあります。しかるに世間には、検診無意味、受けてはいけない、という主張があるわけですよね。対立自体がよくわかりませんので、そのあたりを科学的に論争していただくといいのだが、と思い、あのように書きました。でも、それもむずかしいのかもしれない、と思いつつあります。

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