「古楽の楽しみ」でモーツァルトを2013年01月12日 22時18分04秒

1月30日(水)、31日(木)の分を録音してきました。

30日は、モーツァルトのイタリア旅行における古楽体験から出発。まず、記憶して楽譜に再現したという逸話のあるアレグリの《ミゼレーレ》を、どこまで正確に覚えられたか、という疑問とともに。次にモーツァルトに伝統的な教会音楽書法を教えたマルティーニのオルガン曲、ついでに、アルブレヒツベルガーのフーガ。

そのあとは、ポスト・フックス/プレ・モーツァルト時代の宮廷楽長と宮廷作曲家の作品を並べました。すなわち、ロイター、ガスマン、ヴァーゲンザイルです。

クライマックスは、31日(木)。この日は、モーツァルトが1789年に行ったライプツィヒ旅行を追いかけるという設定のもと、当地で聴いた曲、作曲した曲、演奏したであろう曲を中心に構成しました。ヴォルフ先生の近著でモーツァルトの足跡がかなり綿密にたどられているので、参考にしました。

最初に、モーツァルトをトーマス学校で迎えた老カントル、ドーレスのモテットを1曲。以前別の曲を使ったことがあり、ルター派教会音楽の精神性を受け継ぐ作風に強い印象を受けていたのですが、CDを見直してみると、ドイツ・バッハ・ヴォカリステンの指揮者は、いずみホールのオルガン作品全曲シリーズの冒頭を飾ったヴァインベルガーさんなんですね。心のこもった、とてもいい演奏です。そこで、モーツァルトがドーレスの指揮で聴いたというバッハのモテット第3番も、ヴァインベルガーの演奏で揃えました。

そのあとは、古楽様式を踏まえたモーツァルトの作品を3つ。幻想曲ハ短調、小ジーグト長調、幻想曲ヘ短調(←自動オルガン用)です。フォルテピアノ(インマゼール)やオルガン(コルティ)で聴くと、モーツァルトの音楽も番組に違和感はありません。よろしくお願いします。