ラーメン店にて2013年01月15日 23時03分01秒

12日、金曜日。14時から、「古楽の楽しみ」後半の録音です。支度して家を出ると、外出中の妻がちょうと帰宅。「ハンカチ持った?」とチェックが入りました。忘れていたので取りに戻り、危険を1つ回避。国立駅で『週刊文春』を買い、JRに乗りました。買わなければ良かった。

埼京線の渋谷ホームで降り、前日偵察していた「小法師」へ。隅のカウンターに座りましたが、オール相席でどんどんふさがる人気店です。お目当ての「青唐うま塩ラーメン」が、次々に注文されている。喜多方特有の麺と青唐辛子の辛味がマッチして、なかなかの味でした。

もう時間が迫っていましたので急いで食べ、立ち上がりポケットに手をやって驚愕。財布が入っていないのです。胸ポケットは真っ平らの状態で、私は相当青ざめたと思います。

じつはときどきこれをやるのですが、鞄にたいていは謝礼の袋などを放り込んでおり、そこから支払って切り抜ける。しかしこの日の場合、学会の打ち上げで鞄の紙幣を使い切ったことを自覚していたのです。鞄を預けて下ろしに行こうか、とも思いましたが、カード類もすべて財布の中です。

小銭はいつも、ポケットに入れている。そこで血眼で小銭を数えました。計、540円。ラーメンは760円です。クソッ、『週刊文春』がたたった。初めて来たお店で身分を証明するものもないのでは、どんな恥をかくかわかりません。平身低頭、押し問答、いろいろ考えられますが、そんなことをしていたら、録音が始まってしまう。進退窮まってしまいました。

一縷の望みを託して、傍目も気にせず、鞄の中をしらみつぶし。そうしたら、ある封筒に、須坂で本を売っていただいた2000円が入っていたのです。天の助け!支払いを堂々と済ませた私は、走るように、NHKへ向かったのでした。

いや~危なかった、と言ってスタジオ入りした私に、アシスタントの方々が「また何か?」という表情で、嬉しそうな顔を向けます。私は「ブログに書くから」と、説明を拒否。音楽に心を集中させていると、このように、日常のことが行き届きません。