せっかくの名著が・・・ ― 2009年08月03日 22時45分55秒
仕事の関係で、受験生が読むのに適当な、クラシック音楽のいい本を選ぶ必要が生じました。新書、文庫の中から、という条件がついています。そこでいくつかの本屋をハシゴし、最後に、新宿紀伊國屋書店の文庫階まで到達しました。
そこで感じたこと。第1は、新書、文庫の種類はこんなにあるのか、ということです。しかしそれは今日は置いておくこととし、第2の実感は、候補が本当に少ないなあ、ということでした。
少ないというのは、生きている、すなわち棚に置いてある本が本当に少ない、という意味です。続々と新刊が出て、そのたびに旧刊が押し出されていく、という仕組みの中で、あったはずの名著が、棚になくなっています。ひとつだけ例を挙げれば、柴田南雄先生の岩波新書『グスタフ・マーラー』。ネットで見たら「品切れ重版未定」という扱いで、この分類に、たくさんのクラシック本が入っていました。重版のシステムがどういうものか知りませんが、ぜひ復活してほしいものです。
今日、書斎と物置の連動を図ろうとして蔵書の整理を始めました。いい本、なつかしい本、多くを教えられた本が山のようにありますが、そのほとんどは、今本屋で見かけることはなく、手に入れることもできないものです。死屍累々と言ってはたとえが悪いかもしれませんが、本を書く作業というのは案外寂しいものだなあ、という感慨にとらわれてしまいました。演奏家の方も同じでしょうけれど・・。
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