好天に恵まれた地鎮祭 ― 2010年01月20日 21時13分48秒
「2週連続ですか」などという冷やかしを背中に浴びつつ、校庭の地鎮祭に出席しました。今週で良かった。寒く風の強かった先週に対し、今日は春のようにうららかな好天だったからです。
ずっと昔を別にすれば、地鎮祭という催しを経験するのは、初めて。見慣れぬ式次第がどういうものか見極めたいと思っていました。しかし、なんとかの儀、というかけ声で立ち上がると、頭をお下げください、と言われるため、何が起こっているのかを、確かめることができません。印象的だったのは、鍬入れ(?)のさいに、「エイッ」というかけ声を3度かけること。神主さんの美声も、たいしたものでした。
終了後、「直会」(なおらい)という宴会になりました。皆さんが口々におっしゃったのは、さい先がいい、天が味方してくれた、といった、好天への礼賛。私が大いに違和感を覚えたことは、ご訪問くださる皆様はわかってくださるでしょう。
ご存じの通り私は、地鎮祭の日がこんなにいい天気になったのでは、ツキをかなり使ってしまった、と考えるわけです。雨の日にふるえながらやるのであれば、いいツキを、しっかり後に残すことができる。じつは前日、いいことが続くと必ず悪いことがある、という典型的な経験をして、ツキの理論に対する自信を深めていたのです。
よほど自説を開陳しようかと思いましたが、思いとどまり封印。皆さん喜んでおられるのに、縁起の悪いことは申せませんからね。
変わり映えのしない話 ― 2010年01月13日 23時27分05秒
私の職場ではいま、庭に建物が建ちつつあります。庭がなくなって残念、という気持ちは強いですがそれは置くとして、建物を建てるためには、地鎮祭というイ、ベントを行わなくてはなりません。10時半からです。家を出るにあたり考えたのは、これって、礼装?ということでした。
ネットで調べると、ダークスーツまたは略礼装、と書いてあります。そこでダークスーツと、もっとも地味なネクタイを選び、職場に向かいました。しかし、遅れられないときに限って、バスは来ませんね。じりじり待つことしばし。やっとタクシーをつかまえることができました。そうしたらこの運転手さん、一度も通ったことのない道を飛ばし、過去最短で職場に着けてくれたのです。庭での行事にはふさわしい好天です。
集合場と思われるところに行ってみると、あれ、何しに来たんですか、といぶかられる雰囲気。結論を急ぎましょう。地鎮祭は来週だったのです。理事会は?それも来週、とのこと。何だ、来なくてもよかったんじゃないの。今日は大阪に入らなくてはならないので、すごくタイトなスケジュールだったのに。
何の新鮮味も面白味もない話で、申し訳ありません。でも、「皆さんおそろいですが」と電話がかかってくるよりましですよね。その後、夕方に卒業生との面談を約束していたことが発覚。近くで済ませてから大阪に来ました。新幹線の車両が冷えてくる寒さです。20年通っていますが、こんなに寒い大阪は初めて経験しました。
陽気なアメリカ人 ― 2010年01月09日 22時22分22秒
午前中、新宿の朝日カルチャーでバッハの最晩年の話をしてから、武蔵野文化センターへ。来週いずみホールに出演されるジェイムズ・デイヴィッド・クリスティーさんがこの日は武蔵野でコンサートをなさるので、挨拶に伺うのです。
こんなときいつも気が重いのは、英語に自信がないから。もじもじと待つことしばし、食事に行かれたクリスティーさんが戻ってこられたのは、1時半からの開場がまもなく、という頃でした。
でも挨拶したとたんに、私はクリスティーさんが大好きになってしまいました。明るくフランクで、何もここまで、というほど、友好的。重いウィスキーをアメリカから運んできてくださったのには驚きました。こういううれしい出会いになると、英語がどんどん出てくるから不思議です(笑)。
日本は2回目で、1度目は小澤征爾指揮のボストン響に同行されたとか。サン=サーンスのオルガン交響曲を演奏されたそうです。あなたはオルガニストですか、と聞かれたので、そうです、と言いたかったのですが、うそは言えませんから、音楽学者、バッハ研究家です、と申し上げました。「じゃ、クリストフ・ヴォルフをご存じですか」「はい。(ボストンにお住まいとわかったので)ジョシュア・リフキンは私の友達ですよ」「そうですか。リフキンの《ロ短調ミサ曲》でオルガンを弾いているのは私ですよ。」「へ~。リフキンは昨年来日して、《マタイ受難曲》を指揮したんですよ」「日本人のメンバーでですか」「いや、第1グループはボストンから来た若い人たちで・・・」といった会話が続き、思いの外身近な方だったことにびっくりしました。
《フーガの技法》のコンサートは前半のみ聴いて次の目的地、紀尾井ホールへの向かいました。情熱的で闊達、フーガが複雑になるほど、雄大に盛り上がる演奏です。関西の方、14日はぜひお出かけください。
今年の年賀状 ― 2010年01月04日 23時17分42秒
わが2010年を展望すると・・・ ― 2010年01月03日 23時03分36秒
年頭にあたってはたいてい、今年こそ自分の欠点を直そう、あれはこうしよう、これはこうしようと考えます。もちろん実行しきれないのですが、反省することは有意義だと思いますし、たとえ数日でも、努力してみることに意味があると思っています。
でもそれには条件がある。ひとつは、健康に恵まれて気力があること。もうひとつは、時間にゆとりがあることです。ゆとりがなければ目先のことに追われるだけで、自己改革は望めません。
今年の懸念は、時間のゆとりがとても望めないように見える、ということです。いま2つの著作を用意していますが、そのひとつ、『魂のエヴァンゲリスト』の文庫版は、細部の情報に至るまできちんと最新化しようと思ったらとてもたいへんで、世界のバッハ研究を丸ごと見直さなくてはならない。どの程度それをあきらめられるかに、覚悟がいります。
4月からは、非常勤で聖心女子大に行くことになりました。加えて、放送でもレギュラーの話をいただいています。これらのために、恒常的に時間が必要になりそう。同じぐらいの分量を他で削れればいいのですが、今のところ削ったのは月1回の朝日カルチャー新宿だけです。須坂は新企画が始まりますし、いずみホールにも、近々発表されるような諸企画があります。大学では、ドクターコースの学生が毎年増えています。今年も増えるかもしれませんし、増えて欲しいと思っています。
要するに、そう大きな目標はないが、ぎっしり仕事の詰まった年になりそうです。仕事って、相談している段階では、楽しいんですよね。皆様に楽しんでいただけるよう最善を尽くすつもりですが、さて、どうなりますか。
年始のご挨拶 ― 2010年01月02日 09時34分55秒
皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
子供の頃の、お正月に対するあの期待感。別の世界のように新鮮だった、町の景色。そんな気持ちはどこにいったのだろう・・・と思うほど非日常感を喪失しているのですが、それは年齢の故でしょうか、社会の変化の故でしょうか。毎年、それが加速しているのです。
というわけで、年賀状への関心をまったく失ったまま迎えた新年。ところがいただきましたね、いつも以上にたくさんの賀状を。交際範囲が年々広りますから、当然かもしれません。年長の方からも、お世話になった方からもたくさん来ている。これは放置できませんので、少し日が経ってから、おわびを含めた挨拶状を送ることにしました。くださった方々、すみませんがお待ちいただければと思います。
今年は少しゆとりをもって、というのが、私のたいていの年頭所感です。しかし今年は諸般の事情からゆとりをもてないことが確実で、正月早々、気が重くなっています。今年の抱負は、次話で。皆様には、なにとぞ楽しいお付き合いをお願いいたします<m(__)m>。〔←顔文字使用で新鮮さを出してみました(^_^)。〕
2009年を振り返る ― 2009年12月31日 20時38分54秒
大晦日、年の押し詰まった頃、パソコンに向かって1年を回顧することが日課になりました。考えてみると、お客様にはお正月に過去のことを読んでいただくことになってしまいますね。来年度は前倒ししましょう。
2009年は、おかげさまで、たいへんよい年でした。体調が安定していたことが、その大前提です。以下、今年のベストテン。
1.リフキン氏を招聘しての《マタイ受難曲》公演が実現。6年にわたる相模原市「バッハの宇宙」シリーズの仕上げでした。
2.著作を2冊出版。『バッハ/カンタータの森を歩む 第3巻 ザクセン選帝侯家のための祝賀音楽/追悼音楽』(東京書籍)、『「救済」の音楽』(音楽之友社)。
3.国立音楽大学音楽研究所のバッハ・プロジェクトの2年目が無事終わり、くにたちiBACHコレギウムによるカンタータ2曲、モテット1曲のコンサートを開催。
4.博士論文の指導が延べ9人に増加。結果を出してくれた学生さんが多く、「教える」ことのやり甲斐と喜びを実感。
5.いずみホールで、ウィーン音楽祭開催。楽友協会合唱団に感激。ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフと提携してのオルガン・シリーズも好調。
6.すざかバッハの会で2年にわたる「バッハ最先端」シリーズを完遂。
7.「楽しいクラシックの会」が23年目を迎え、例会に加えて、小林一男、河原忠之、久元祐子、武田忠善、坂口弦太郎、山崎法子、三好優美子さんらのコンサートを開催。
8.日本音楽学会会長としての2期目がスタート。個人的には、リフキン氏の《ロ短調ミサ曲》講演会をサポート。
9.大学の地方公演で北九州と熊本を訪れ、卒業生たちと再会。合唱コンクールの審査で広島を訪れるなど、西日本の仕事に恵まれた年でした。
10.ワイン愛好が進展。少しわかるようになり、反比例して、ビールをほとんど飲まなくなりました。
こんなところです。公私にお世話になった皆様、ありがとうございましたm(_ _)m。どうぞよいお年をお迎えください。
仰天の出来事 ― 2009年12月30日 15時43分50秒
ビルの高い階で、仕事の打ち合わせをしていました。では1階の会場へ、と担当者と2人で部屋を出たら、廊下の向こうはすっぱりと切れ落ちていて、危なく落ちるところ。私は事なきを得ましたが、勢いよく出てきた担当者は、そのまま落下してしまいました。やや間を置いてから、「ギャッ」という声が聞こえてきました。
ずいぶん具体的な、こわい夢です。これは、昨夜あったことと関係がありそう。昨夜某所で、私よりずっと年配の方とお食事をしました。お酒は、日本酒を少々。楽しく過ごして店を出、タクシーを探しにその場を一瞬離れて戻ってみると、お相手が歩道に仰向けに倒れ、意識混濁の状態になっているではありませんか。仰天した私は、お店の方の助けも借りながら119番しました。
なかなか来ないものですね。一刻千金の思いで待っていると、救急車から電話がかかり、状況を尋ねられました。しかし、拍子抜けするほど、のんびりした調子なのです。切歯扼腕する私に、「両方焦っても仕方ないですから」と、お店の人。たしかに。
私は倒れたところを見ていないので、状況の判断がつきません。到着後、車内で検査が行われ、大丈夫だろう、ということになりました。その後タクシーでお宅までお送りし、何でもなく終わったのですが、びっくりしましたね、ほんとに。ちなみに私は、救急車で運ばれたことは2回ありますが、呼んだのは初めてです。年末、皆様お気を付けください。
〔付記〕友人から、「一刻千金」「切歯扼腕」の使用法はおかしいのではないか、と指摘がありました。「一刻千金」はたしかに変ですね。「一日千秋」というのもあるが、ちょっと違うようです。「切歯扼腕」はいいように思いますがどうでしょう。四字熟語、もう少し勉強します(_ _)。
忘年会09 ― 2009年12月27日 18時11分28秒
日曜日、久しぶりに家で休養しました。先週は、昼間の用事もずっとあった上に、忘年会が5連チャン。もうへとへとです(笑)。
火曜日は、赤坂のホテル。水曜日は、有楽町のイタリアン。木曜日は、国立のロシア料理。金曜日は、立川のスペイン料理。土曜日は、鶯谷のお寿司屋。いずれも、おいしく楽しい会でした。このうち、二次会がついたのは金曜日の立川のみ。参加者比率で女性が多かったのは、木曜日の国立のみ。同一人物で2回参加されたのは、ある有名演奏家のみでした。
忘年会は来週もう少しあり、いくつかは新年会に回っています。昔はホームページの公開オフ会というのもやっていましたが、それは中断したままです。いまドクターコースにいる戸澤史子さんには、そんな機会に初めてお会いしました。
いずれにせよ、私とこういう会をもってくださる方が大勢いらっしゃるのはうれしいことです。そういう方がいなくなるまでは、またはドクターストップがかかるまでは、飲む機会をもちたいものです。語らいが楽しいのは昔とまったく同じですが、ちょっと違ってきたのは、「記憶がない」状態に陥りやすくなったこと。ガードが甘くなって余分なことをしゃべってはいけませんので、気をつけてはいるのですが、大丈夫でしょうか。ちなみに、私は飲んでもほとんど変わらないと、基本的には言われております。異論のある方は、コメントでどうぞ(笑)。
グレゴリオ聖歌集 ― 2009年12月23日 11時17分37秒
方向音痴であることにかけてはわれながらいやになってしまうほど自信のある私ですが、土地勘をどうしてもつかめないのが四谷です。地上に上がると、2つの大きな通りがクロスしている。この4つの方向が、ひんぱんに下車しているにもかかわらず、どうしてもわからないのです。これは、私だけでしょうか。
昨日(22日)、その四谷で少し時間が空きましたので、カトリックの書店を覗くことを思い立ちました。駅の近くのサンパウロが一番大きいのですが、そこはうっかり素通り。少し先にドン・ボスコ社のショップがあります。クリスマス用品で、にぎやか。ここは実用的なものが中心で、ミサ典書や聖務日課書なども買うことができます。
とくに新しいものはなかったのでここは見るだけにし、もう少し先の2階にあるエンデルレ書店に行きました。ごく狭い売り場の奥に旧式のレジがあり、外国人の方が番をしています。ここの特色は外国語の本が充実していることで、ラテン語の聖書も、いくつかの版で並べられています。以前から欲しいなあと思っていたLiber usualisを棚に発見。さっそく購入しました。1952年版の復刻で、伝統的な礼拝で使われるグレゴリオ聖歌のテキストと楽譜が、ぎっしり収められています。高いですけどね(2万円)。
ページをめくると最初に、グローリア・パトリとマニフィカトの旋律が8つの旋法で並べられており、マニフィカトに関心があるだけに、うれしくなりました。タイトルの次には、記譜法や唱法に関する英語の説明が続いています。読書会でもやってみようかしらん。
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