聖心初授業2013年01月08日 18時21分07秒

聖心女子大の後期授業は、「聖と俗」をテーマとし、音楽の中にある宗教性の探索を進めてきました。このテーマですとオペラもよき対象になりますので、後半はオペラに特化。《ポッペアの戴冠》《タンホイザー》《オテロ》を取り上げてきました。〈ヤーゴのクレード〉や〈アヴェ・マリア〉のある《オテロ》も、よき教材です。

名曲の名演奏に親しむうち、オペラをほとんど見たことがなく、ミュージカルとどう違うんですか、などと言っていた学生たちも、目に見えて音楽に入りこんでくれるようになりました。感動を共にしてくれるのが、一番励みになります。

新年の授業は、2回。最後に残した切り札は、《ポーギーとベス》です。大好きなオペラなので、張り切って準備しました。正月ボケの妻が「どこへ行くの?」などと言うので、「聖心。火曜日だろ。あと2回」「ごめん、忘れてた」などと対話してから出発。まず近くのコンビニで、162人分の資料を準備します。もちろん大学でもやってくださるのですが、結局その方が便利なので、自分でやっています。

やっぱり、1年の初授業というのは、気合いが入りますね。このところ心身ともに充実しているので、なおさらです。道中は学生のリアクション・ペーパーを読み直し、モチーフの紹介などに使うピアニカの演奏を、脳裡でシミュレーションしました。

聖心のキャンパスはすばらしい環境なのですが、高貴な女子学生が集まっているので、門のチェックが男性に対して厳しい。それが若干のストレスです。今日はいつもより謹厳な感じの守衛さんで、「どちらへ?」という質問が、無機質。「授業です」ともちろん言いましたが、答えはいぜん無機質で、「授業は10日からです。みんな閉まっていますよ」ですと。どうも、人が少ないと思ったなあ。

広尾までやってきた意義をどこかに見つけなくてはいけないので、交差点のワイン・ショップへ。1本買うつもりが、言葉巧みに勧められて、6本セットを買いました。ヤケ買いです。

コメント

_ N市のN ― 2013年01月08日 21時55分05秒

いやぁ~良い運動なさいましたね!

_ taisei ― 2013年01月08日 23時57分53秒

さすが教授!突っ込みどころを心得てらっしゃる(笑)ここまで行動で示して笑わせていただけると「ホンマかいな」「そんな奴ぁおらんやろ」チャンチャンってな感じですね。あとは、帰ってから奥様にはどの様に説明をなさったのか興味津津です。

_ I招聘教授 ― 2013年01月09日 00時11分43秒

家内は慣れています。

_ ムッシュ・アオキ ― 2013年01月09日 08時33分12秒

初笑いしました!今年も「談話室」、楽しみに拝見させて頂きます。それにしても、心身充実していらっしゃるとは羨ましい限りです。小生、仕事の疲れからか左足が痺れて歩くのに苦労しています。先生は、歩く以外に何か健康法をしていらっしゃいますか?

_ I招聘教授 ― 2013年01月09日 10時58分58秒

健康法、できていないんですよ。毎年、課題のままです。

_ taisei ― 2013年01月09日 23時58分10秒

「慣れている」と言うことはこれまでにも何回もあったということですか?!「慣れている」いやいやそう思っているのは教授だけで奥様は心配してはりますって。奥様のこれまでの心労はいかばかりかとご同情いたします。またこれからもつづく事を思うとその思いは更に強まります(「これじゃ認知症がいつ始まったか、わからないわ・・」)

_ ルビー ― 2013年01月12日 00時09分44秒

魅惑のワインタイムを半ダースも…素敵なご褒美、茶目っ気たっぷりのI先生!
まさかの空振り、私も実はよくやらかすのですが(笑)その分素直に楽しんで逆転しています。案外、思わぬラッキーなツキを招いたりして。。。

聖と俗というと何故か、《優雅なヨーロッパ》や《タンクレード》の劇作品で知られる聖職者の作曲家アンドレ・カンプラのことが真っ先に思い浮かびます。年末に何となく手にした《レクイエム》が、明るくて穏やかでとても感じの良い美しい曲でした。

どこまでも遊ぶルビー

_ 青春21きっぷ ― 2013年01月13日 00時34分00秒

ルビーさん、カンプラの《レクイエム》が気になり、先生の「バロック音楽名曲鑑賞辞典」を読み返したら、聖と俗のことの引用文がありました。
明るくて穏やかさを持つこの《レクイエム》は、カンプラが生まれ育った南仏の気候・風土によるところが大きいのではと、ふと思いましたし、柔らかさも感じるのですが、それはフランス語の語感からくるのでしょうか。

先生、ヤケ買いの6本セットの中に、カンプラの《レクイエム》を彷彿とさせる様な味わいのワインに巡り合いましたでしょうか。

_ ルビー ― 2013年01月13日 22時05分29秒

さすがの青春21きっぷさん(初々しいネームですね)、嬉しい繋がりを見つけて下さってありがとうございます!
あの本、まだ持っていなかったのですが(エ~ッと言わないで)・・・先生にバレないうちにすぐ調達して読んでみます(笑)。カンプラは、舞踏シーンが出てくる劇場ものばかりに目を奪われていて、宗教曲は初めてでした。

今日は、ベルナール・クデュリエというフランス人オルガニストのリサイタルを聴いてきました。クープランとグリニーのミサ曲に始まり、ブクステフーデにバッハ、ブラームスにリスト、20世紀のアランに至る、一夜にして音楽史的なレパートリー。リストの華々しい《バッハの名による前奏曲とフーガ》や近代的なアランの響きなど、面白い体験でした。オルガンの表現力も幅広いものなのですね。

リフレッシュ・ルビー

_ 青春21きっぷ ― 2013年01月14日 21時42分34秒

オルガン聴きたかったのですが、買っておいたチケットを人にあげる決断をして、「J.ケージの勉強」なるイベントに渋谷へ。昨年より気になっているケージの誘惑に負けてしまいました。昨夏、サントリーホールのホワイエでミュージサーカスのパフォーマンスを眺めていた時でした。背を突く人が・・・振り向いたら先生でした。

_ ルビー ― 2013年01月15日 23時57分02秒

でた~っ!(笑)ていう感じ。。。
現代音楽にもお近づきになりたいと期待しつつ、青春は過ぎ去っちゃった…知らない音楽がまだまだたくさん。生きているうちに間に合うかしら。

暮れに、ナイス・ガイの城田優くんのクリスマスライブに初めて行ってみました。ピュアな優しさ溢れる愉快で温かいコンサートにエキサイトしてしまいました!
聖と俗って、誰の中にも大いに入り混じっているものですね。

悪のりルビー

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