神経の問題2013年11月09日 08時16分45秒

秋の風物は、日生劇場のオペラ。毎年すばらしい成果を積み重ねていますが、8日(金)にはアリベルト・ライマンの《リア王》が日本初演されました。ひじょうに考えさせられる内容なので、そのことを、少しだけ。

もし批評の担当なら、総力を挙げた圧巻の公演、と書くと思います。音コン1位で話題となっていたカウンターテナーの藤木大地さん、初めて聴きましたが、これほどの逸材とは。演奏には、たくさんの賛辞を書けます。

作品も、第一級のレベルであることは明らか。しかし私は、これでもかこれでもかというどぎつさに、神経が耐えられないのです。私が弱いだけなのか、あるいは作品に、ないし作曲者の姿勢に一線を踏み越えたものがあるのか。それについては、もう少し考えてみたいと思います。「ドイツ」を、はっきりと感じます。

日生劇場に駆け込む前は、NHKで収録をしていました。シュッツの特集を、12月に出すのです。新しいCDを集めてプログラミングする過程の、楽しいこと。ラーデマンがすばらしい録音を積み重ねていて、とりわけ《クライネ・ガイストリッヒェ・コンツェルテ》に感嘆しています。ドイツもいろいろです。

和楽器と古楽器のコラボ2013年10月27日 01時36分27秒

今日は津田ホールで、和楽器と古楽器で編成された「アンサンブル室町」のコンサートを聴きましたが、たいへん感心しました。輪郭だけお伝えします。

「東方綺譚」というタイトルがついていたのは、マルグリット・ユルスナールのオリエントを舞台とする小説集をテーマとした、フランスと日本、2曲ずつの委嘱新作でプログラムが組まれていたから。ユルスナールについては、私が関係している藝術関連学会連合(藝関連)のシンポジウムで、研究発表を聴いていたというご縁がありました。

岩切正一郎さんによるプレトークが、しっかりした内容と感じのよいプレゼンテーションで、勉強しつつコンサートへの期待を高めるという、よき導入になりました。私、自分がプレトークを担当することがあり、いつも苦心しているものですから、プレトークがいいと本当に嬉しくなります。でも、軽んじていい加減にやられることも時折経験するのが、プレトークです。やる以上は、密度濃い時間にしてほしいですね。指揮者が自らマイクを握り、作品に対する無知を露呈したりしたら、それでコンサートは終わりなのですから。

企画がこのようにしっかりしているので、新作にもとてもよいものが含まれ、ハエ=スン・カンさんのヴァイオリン・ソロ以下、演奏も卓抜でした。行って良かった。注目したいと思います。

重厚な本格演劇2013年09月30日 08時02分15秒

29日、日曜日。バーナード・ショー作、鵜山仁演出、笹本玲奈主演の《ジャンヌ》を観に、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール(西宮)を訪れました。大中小3ホールを擁する、すばらしい建物です。

最近演劇づいている私ですが、今回の演目は、重厚な本格演劇。3時間の中に、10時間を超える充実がありました。歴史を踏まえ、宗教に分け入って組み立てられた舞台は、すべての台詞に意味があり、ひねりがあり、問題提起がありという感じで、まことに奥が深い。自分でも驚いたのは、途中からモーツァルトがジャンヌ・ダルクに重なってきて、離れなくなったことでした。最近ずっと手紙を読み、モーツァルトの人生につきまとう負の側面に、意識が向かっていたためかもしれません。

10月31日(木)からいずみホールのモーツァルト・シリーズが始まりますが(協奏交響曲とポストホルン・セレナード)、この機会にモーツァルトについて、考えなおしてみたいと思います。

書き忘れたこと+幸福な体験2013年09月15日 10時37分59秒

そうそう、書き忘れたことをひとつ。

いずみホールでのコンサートの後、演奏者、マネージャー、なぜかまさお君、の4人で、大阪は北新地に、打ち上げにでかけました。いつぞや、大阪で一番おいしいものを食べられるところ、とご紹介した、カジュアル・スナックのMMMです。快活に迎えてくれる、気持ちのいいお店です。

私がブログで紹介したことにママさんがとても感謝されていて、訪れるたびに、「美人のママさんがすてきだ」と書いてくれて嬉しかった、とおっしゃいます。「飲食」のカテゴリで取り上げましたので、ママさんにはまったく触れなかったのですが、何かの錯覚で、そう思われているようなのです。

この日も、フツーなようでいて凝っている、B級のようでとびきりの珍味をいただきました。レストランとしても使える、本当にいいお店です。お薦めします。

あ、書き忘れるところでした。ママさんは年も若く快活な、フランクでキュートな、とてもすてきな方です。お薦めします。

9月上旬には、サントリー芸術財団のサマーフェルティバルが開催されていました。今年から始まった「ザ・プロデューサー・シリーズ」、トップバッターは池辺晋一郎さんで、さすがに多彩な企画を提供されました。私は2つしか聴けず申し訳なかったのですが、6日(金)にブルーローズで披露された〈インプロヴィゼーション×ダンス〉は興味深かったですね。

邦楽、民俗音楽、ジャズなど世界の多分野からつわもののソリストが集合し、小一時間に及ぶ合同の即興演奏を行い、後半(「大自然―畏れと共生、そして美」)ではそこにダンスがつく。乗せられているうちに、音楽・芸術を通じての世界の協調と和合が、ひとしきり実現したような思いにとらわれました。幸福な体験です。

演劇に目覚める2013年08月13日 18時25分45秒

酷暑お見舞い、申し上げます。炎天下でお仕事されている方、お疲れさまです。私がいちばん暑いと思ったのは、11日(土)の名古屋でした。満員の新幹線から降り立っただけに、その迫力はひとしお。汗が滝のように出て、夜、寝てから水を飲みに起き出す始末でした。

11日は、「あいちトリエンナーレ2013」の初日。愛知県芸術劇場には大勢の人が出ているので、いっそう暑く感じます。

覗いたものの中で感動したのは、ままごと『日本の大人』という演劇。柴幸男さんという若い劇作家の作・演出で、子どもが時間の推移の中で大人になるとはどういうことか、何を得て、何を失って、何が変質するのかを、子どもと一緒に見られるような形で、わかりやすく、明るく、楽しく(しかししだいに悲しく)扱ったものでした。

正直なところ、演劇にあまり関心のなかった私ですが、4人の若い俳優が机をどんどん動かしながら作ってゆく(=過去と現在を往復してゆく)スピード感あふれるステージに魅了されました。誇張や押しつけがましさがなく、ひたすら軽妙でユーモラスなのが、何より。演技もとてもよかったです。つい涙が出てしまいました。

演劇に触れることで、オペラの見方が少し変わってゆくといいな、と思っています。

やっぱりいい!モンテヴェルディ2013年07月31日 23時59分16秒

「モンテヴェルディ~愛の二態」にご来場の皆様、ご出演の皆様、また種々ご協力いただいた方々、ありがとうございました。私のプロデュースするコンサートはごくささやかなものから広がりをもつものまでさまざまですが、今回のコンサートは、クォリティの高さという点では自分史のなかで指折りのものではなかったかと思っています。皆様のおかげです。

今回の会場は、昨年の《聖母マリアの夕べの祈り》の継続という意味でも、絶対にサントリーホール(ブルーローズ)でなければ、と思っていました。結果は本当にそれでよかったのですが、背伸びをした分、しわ寄せがいった部分があります。それは、私の責任範囲である、字幕。高価なレンタルをあきらめ、「たのくら」所蔵のホームユース(!)のプロジェクターを、立川から運びました。

私は、適切な字幕とともに鑑賞すれば、音楽の感銘は3割増しになる、と確信しています。ですから、モンテヴェルディのマドリガーレのような高度に文学的な作品には字幕が必須と考え、自分で準備しました。ただその設備に手抜きをしたので、字幕を客席から見えるように投射できるかどうかが、最大の不安であったわけです。

当初想定した幕に映してみると、ほとんど読めないことが判明(泣)。その後さまざまな努力を費やして改善しましたが(担当の方々、まさお君、お世話になりました)、結果は、ある程度の範囲でまあまあ読めた、というところだったでしょうか。芸大生が献身的にオペレーターを務めてくれたのは、《ヨハネ受難曲》ゼミの副産物です。

 櫻田亮さんが発揮された世界的レベルのカリスマ性は、これまで私がプロデュースしたコンサートにはなかったもの。彼が上杉清仁さん、谷口洋介さん、小笠原美敬さんと組む男声アンサンブルの音程の良さとスピリットはプロの妙技と言うほかなく、脱帽です。阿部雅子、渡邊有希子の女声お二人も大健闘で、《マニフィカト》のエコーでは鳥肌が立ちました。器楽は、天野寿彦、渡邊慶子(ヴァイオリン)、平尾雅子(ガンバ)、渡邊順生(オルガン、チェンバロ)という実力型の布陣。初めてご一緒する天野さんの様式感はたいしたものでした。

 休憩時間に打ち上げの予約に走るようなプロデューサーでしたが、次を早くやりましょうという言葉を一流の方々からいただいて、モンテヴェルディに対する演奏者たちの強い思いを実感。個人的には、重唱マドリガーレのすばらしさを何倍にも感じるようになったことが収穫でした。はまると抜けられないのが、モンテヴェルディです。

最後になりましたが、とくにご案内しなかった旧知の方々にたくさんお出ましいただいたのが嬉しい驚きでした。ありがとうございました。

まつもとバッハの会コンサート報告2013年07月14日 23時44分49秒

7月7日、七夕の日に、松本で手作りのコンサートを開きました。ご尽力いただいた方々への感謝を込めて、ご報告申し上げます。

今回は、「バッハの仕事場を覗く」と題する、6回シリーズの最終回。連続講演をコンサートで締めるというのは、つねに理想的です。関心と問題意識を共有してきた受講生の方々が聴衆となって、熱い感動で盛り上げてくださるからです。講演とコンサートでは本来予算が大きく異なるため、三方一両損のような形で実施せざるを得ないのですが、その手作り感が、かえってコンサートの魅力ともなっているように感じられます。

今回は、オール・バッハのプログラムとし、古楽器、アンサンブル、カンタータという3本の柱を立てました。準備はチェンバロの調達から始まりますが、穂高クラヴィーアさんから楽器の準備、運搬、調律まで丁寧なサポートをいただき、広沢麻美さんの優雅で潤いのある響きが会場を満たして、コンサートは始まりました。曲目はフランス組曲の第5番です。


まず印象づけられたのは、会場となった深志教育会館(私がステージから転落したところ!)の響きと品格が、古楽器にまことにふさわしいこと。地元の名手、塩嶋達美さん(この方がいらっしゃるのでコンサートができます)のフルート・ソナタホ短調も、若手ガンバ奏者品川聖さんの協力を得て、アンサンブルの魅力を発揮しました。


予算上、声楽はアルト(高橋幸恵さん)に絞り、カンタータのアリアを歌っていただくことにしました。調べてみると、アリアの名曲はオブリガートの大半がオーボエ・ダモーレです。尾崎温子さんに実力を発揮していただくには、絶好の場ができました。


もちろんフルート、ガンバも使って、多彩なオブリガートを組みました。


右上のトンボが、松本深志高校の校章です。アリアには、時間をかけて字幕を用意しました(中央のスクリーン)。ところが、歌が始まるとお客様の視線が高橋さんに集中してしまい、字幕は無用の長物に(笑)。操作しているまさお君も、おそらくは無用の長物でした。人気を集めた高橋さん、バッハへの適性を感じさせました。


アンコールの一部として、当日演奏された曲からリクエストしていただくことを企画しました。おそらく、演奏効果に富む第214番のアリア(《クリスマス・オラトリオ》のフルート付きテノール・アリアの原曲)が選ばれるだろうと思っていたのですが、支持が集まったのは意外や、死を瞑想する長大な第125番のアリア。深く聴いてくださったんだなあと、感動。演奏がよく準備されていたことは確かですが、「お客様から力をいただく」形ができていたことも、確かだと思います。最後、《ゴルトベルク変奏曲》最後のアリア(広沢さん演奏)が「魂鎮め」として深い余韻を残し、コンサートが終わりました。

帰りの列車が、「鹿と先行列車が衝突して救出に手間取っている」という理由で1時間40分遅れ、ツキの余剰分をしっかりお返ししました(笑)。

長い一日、よき一日2013年04月22日 23時41分07秒

20日(土)。「楽しいクラシックの会」例会に向かう途上で、忘れものに気づきました。前回の例会でLDプレーヤーが故障し、新しい機械と取り替えていただく了解が会場とついていたのですが、まだ入っていない可能性も大いにあると気づき、日本語のついたDVDをスペアに持参しようと思って、忘れてしまったのです。

そうしたら、会場には立派なLDプレーヤーが鎮座ましましているではありませんか。ああ良かった、と思ったら、それは設営係の会員の人が、自宅からかついで来たものであるとのこと。ああ、こういう心遣いが「たのくら」26年を支えているんだなあと、感激してしまいました。

私の話が始まる前に総会の行われるのが、毎年の4月。事業報告や会計報告が行われ、会計監査の方まで登場します。こうした役割をみんなで分担しているのが、長寿のコツなのですね。この1年間皆勤という方が12人もおられたのには、びっくりしました。

4月からの素材は《リング》。まず、《ラインの黄金》です。昔凝った作品ですが、しばらくぶりで向き合ってみると、いろいろなことに気がつきます。来月ワーグナーの和声法に関して研究発表しなくてはいけないので、そのためのステップとしても役に立つ講座でした。

会食される会員の方々と別れ、強い雨の中を、三鷹の「風のホール」へ。「小さな小さな音楽会」という、初心者にやさしいコンサートを聴きました。市橋邦彦さんという方が★★★★★(いつつ星)オーケストラを解説付きで指揮し、プログラムには、ロッシーニとエロールの序曲、ベートーヴェンの第7交響曲が並んでいます。

トーク付きのコンサートの場合、私は職業柄、解説を注視します。すばらしいもの、いい加減なものが、演奏以上に混在しているのが解説。しかし市橋さんの解説は誠実にして謙虚、考え抜かれたもので、お客様に行き届いた知識を与えながら、音楽のために、心地よい雰囲気を作っていかれるスグレモノです。私もとても勉強になり、普段書かないアンケートに、励ましの言葉を綴ってしまいました。啓蒙のために、たいへんよい企画だと思います。

銀座のヤマハと渋谷のタワーレコードで資料集めをしてから、いつもながらの「ラ・ゴローザ」へ。その夜は、学会で私の配下として働いてくださっていた方々とのお別れ会でした。本来は私が皆さんを慰労すべきなのに、逆に慰労されてしまい、ありがたいやら、申し訳ないやら。会長職を卒業できて大いにほっとしているのですが、こういう方々との交流がこれで終わりかと思うと沈んだ気持ちにもなる、宴の後でした。

これぞミュンヘン!2013年04月19日 09時45分06秒

18日(木)。早朝に起き、まず原稿の仕上げ。バッハのチェンバロ協奏曲ニ短調の国内盤楽譜が出るので、その解説に、かなりの時間を費やしました。

原稿を送り、芸大の授業準備に入った10:11に、元同僚の知人からメール。土曜日の「たのくら」に欠席するという連絡の終わりに、「今夜はミュンヘン・フィルに行きます」と書いてあります。えっ、ミュンヘン・フィル?!

思い出しました。2月に朝日新聞社で講演したご褒美に、チケットをいただいていたのです。2枚いただいたので、1枚をお世話になった方々の抽選に委ね、開演前にサントリーホールの入り口でお渡しすることになっていました。それをすっかり忘れ、夜は打ち合わせで、NHKに行く予定になっていたのです。急いで連絡し、NHKの方にはコンサートの終わる21:00に、サントリーホールに来ていただくことにしました。

分刻みで準備して飛び出し、授業。それから本郷のアカデミアに回って、支払いと資料購入。重い荷物でサントリーホールに着いたときにはもうへとへと。というわけで、マゼール指揮、ミュンヘン・フィルの感想は、アンコールに絞らせていただきます。

ブルックナー第3が終わると、ただでさえ大編成のステージに、ぞろぞろと奏者が入ってきました。これは《マイスタージンガー》をやるのではないか、と思い、もう20分もお待たせているNHKの方に手を合わせつつ、座席で待ちます。果たして《マイスタージンガー》の前奏曲が、ひときわ荘厳なテンポで始まりました。

でも何か、普通と違う。あれっ、どうしたの、と思うところが随所にあります。しばし首をかしげましたが、まもなく納得。「皆さん、思い切り遊んでください、無礼講です」という指示が出ているようなのです(私の想像です)。ピシリと合わせる棒を振ってきたマゼール氏がいまやそうした度量を身につけたのか、前任者ティーレマンからの引き継ぎなのか、楽員の希望なのか、詳しいことは存じませんが、どのパートも規制を外してエンジン全開、音響のるつぼとなり、思いがけぬ対旋律や内声が表に出てきてびっくりする、という状況になったのでした。パートやセクションの中での打ち合わせもあるらしく、木管がめくばせしながら踊るように合奏したり、コントラバスがしばらく主役を張ったり、という乱闘劇(←第2幕にある)。前奏曲のスコアがきわめて対位法的だということが、逆説的によくわかる進行です。

こういう演奏をプログラム内でやることは考えられないし、アンコールだから、それも日本公演の最後だからということで解放されたアイデアでしょう。でも、じつに面白かった。作品の本質でもある豪快な祝典性が、ホールを圧するようにあらわれていたからです。これぞ、ミュンヘン!東京春祭の《マイスタージンガー》も良かったけど、オーケストラにこの祝典性はありませんでした。ミュンヘン気質とは何か、と問われれば、《マイスタジンガー》と答える、というところです(注:初演以来この作品が本当に愛されていて、われらが音楽、になっています)。お待たせすること40分。ご迷惑をおかけしました。

入場記録更新2013年03月17日 20時09分58秒

16日(土)、午前中は、「楽しいクラシックの会」でワーグナーの《ローエングリン》講義。先日第1幕の完成度の高さを絶賛しましたが、第2幕、第3幕はちょっと複雑で、聖なる騎士が地上に降臨して人間と交わるという素材のむずかしさを、ワーグナーが完全には扱いきれなかったようにも思われます。そこで第2幕、第3幕を一回で終わらせ、来月は《ラインの黄金》に進むことにしました。

アバド指揮、ウィーン国立歌劇場のとても良いLDを鑑賞して、ドミンゴの歌唱がまさに謎解きの〈グラ-ルの物語〉にさしかかろうとしたその瞬間。ぷつんと、映像が切れてしまいました。仕方がないので、クライマックスは音のみで鑑賞。できすぎたタイミングで残念でしたが、ここで私は、ツキの法則により、午後のコンサートの成功を確信しました。

午後は、3月恒例の錦まつりコンサート、題して「ソプラノってすばらしい!」。澤畑恵美(ソプラノ)、久元祐子(ピアノ)両先生出演の豪華版とあって、錦町の地域学習館に続々とお客様が。講堂にある椅子を全部並べる盛況で、入場記録が更新されたそうです。盛りだくさんのプログラムで熱演してくださった両先生に、心から感謝です。

いい歳の私ですが、どういうものか澤畑さんの前に出ると赤面し、萎縮してしまう傾向があります。当日もそれが司会に反映されてわれながら情けなかったのですが、ご本人は私のそうした反応を楽しんでおられるご様子(汗)。ま、演奏者が萎縮して司会ばかりゆとりがあるよりは、いいですよね。

ついでに。ライプツィヒ・バッハ祭のプログラムが入ったので確認したところ、ガーディナーの《ヨハネ》をはじめ目玉がきれいになくなっており、これでは旅行どころではないと、青くなりました。あわてて連絡したところ、それは2014年の予告であるとのこと。良かった(ホッ)。

《ヨハネ》のエヴァンゲリストは期待通りマーク・パドモアでした。イエスはマシュー・ブルックで、アリアはモリソン、ブレイグル、マルロイ、ハーヴィーとなっています。楽しみです。