課題はソムリエ対策2010年01月06日 15時18分33秒

ワインを好きになってから、飲食が高くつくようになりました。忘年会などのさい、私が年長で参加者と差があるようなときには、飲み物は私が提供するという形に、よくなります。問題は、いいお店で、いいワインが置いてあり、メンバーに底なしの人が含まれている、といった場合があることです。

昨年最後の忘年会は、30日に新宿の「響」で開催されました。これは、サントリーの経営しているすばらしいお店で、私もいろいろな機会に使います。私が通ったからつぶれる、といった懸念をもつ必要のない、安定したお店です。

一般メニューにも数点のワインが掲載されていますが、なにしろサントリーのお店なので、他にもたくさんのストックがあります。メニューにあるのはいつも飲んでいるから、ということで、メニューにないワインを頼むことにしました。するとやってきたのは、すらりとした男性、すなわちソムリエです。

ソムリエ氏は、手に5本のワインをもって、心持ちうれしそうにやってきました。民主的(?)な私のことですから、参加者に、「どれがいい?」と尋ねてみました。すると、フランスに数年おられた女性が、「絶対これ!」と、3本目のワインを指さすではありませんか。じゃ、それにしよう、ということで注文し、「何であれがいいの?」と尋ねてみると、返答は驚くべきもの。自分では高くて飲めないから、というのです。

当日のメンバーには底なしの方が含まれていましたので、当然ワインは、どんどんなくなります。ソムリエ氏がふたたびやってくる。警戒する私に、それぞれの説明をしてくれます。どうやら、左から右に行くにつれ、高級になっているらしい。当然、右の方の推奨に力が入ります。具合の悪いことに、ワインというものは、1本目より2本目、2本目より3本目というふうに、グレードを上げて飲んでいくものだ、と聞いています。さあ、困りました。

皆さんに教えていただきたいのは、次の1点です。こういうとき、値段を聞いてもいいものでしょうか。ソムリエ氏は、当然値段には触れません。ワイン通であればどこの何年、ということでだいたい見当はつくはずだから、値段など聞かないのがスマート、とどうしても思われますよね。でもあいにく私には、そこまでの知識はないわけです。5本もあるのだから、そのうち1本ぐらい、凶悪な値段の品が入っていないという保証はありません。選んでいて生きた心地がしなかった、というのが正直なところでした。

楽しい忘年会でしたので、お金には換えられないと思っています。現金もある程度用意していったが、お勘定はカードで払って帰宅した、とだけ申し上げておきます。

カツ丼の専門店2009年11月10日 23時31分05秒

私の通うお店がつぶれていくのはもう自然の摂理として淡々と受け止めています。それにしても、「陳麻飯」チェーンの閉店にはびっくりしました。あちこちに支店ができて、結構好きだっただけに、一夜にしてどこにもなくなる、というのはショックでした。急激な拡大のツケかもしれないですね。

先日ふらりと入り、面白いお店だな、と思ったのは、吉祥寺の新潟カツ丼「タレカツ」(検索可能)。卵を使わない揚げカツには好みが分かれるかもしれませんが、ご飯が真っ白に粒立ち、やけにおいしいのでふと気がつくと、「新潟から新米が入りました」と張り紙が。こだわっているんですね。個性的かつレベルの高いお店で、「カツ丼専門店」という概念をくつがえします。

もぬけの殻2009年08月24日 23時57分37秒

10月にいずみホールで開かれる「ウィーン音楽祭 in Osaka」の記者発表のために、大阪へ。今日はシェーンベルク《月に憑かれたピエロ》を歌われる中嶋彰子さんが同席してくださいましたので、彼女を中心に話が進みました。そのコンサートで取り上げられる貴志康一(大阪出身の天才作曲家)についても中嶋さんがたくさん調べられており、そのテーマでも話がはずみました。

企画打ち合わせの前に一休みしようと、ホール近くのコーヒー店「にしむら」へ。ここのコーヒーはたいへんおいしく、モーニングも充実しています(「サラダセット」「フルーツセット」の2種がある)。私は大阪に宿泊すると、いつもここで朝食を取るのです。新聞も揃えられ、スペースもゆったりしていて、なかなかこれだけのお店はありません。

ところが・・・。お店が、跡形もなくなくなっていたのです。もぬけの殻。茫然として、しばらく立ち尽くしてしまいました。少し前に閉店したが、安いチェーン店に押されたのではないか、とのことでした。

私の通うお店はつぶれる、というのは、本ブログでもよく申し上げているジンクスです。でも、ある程度冗談のつもりだったんですよね。どうやら、冗談では済まなくなってきました。

応援したいレストラン2009年05月18日 23時03分12秒

おいしいものを食べるのって、いいですね。私の勤め先は西武拝島線とモノレールがクロスする玉川上水駅のもよりですが、大きな団地を擁している割には、レストランの選択肢がありません。そこで、金曜日の夜、勉強で遅くなったついでに、お店を開発してみよう、ということになりました。

すると駅のロータリーに、フレンチとイタリアンのお店が並んでいます。メンバー3人で予算も少なかったので、イタリアンの方がカジュアル、という仮説のもとに、「KISAKI」というそのお店に入ってみました。見慣れないのも当然で、この2月に開店したのだそうです。

木のテーブルがしっとりとして美しく、落ち着いた大人の雰囲気。メニューを見てわかりましたが、これ、かなりの高級店なんですね(汗)。覚悟を決めて食べましたが、アンティパストの生ハムやサラダからメインのラムにいたるまですばらしいおいしさで、「当日のワイン」がまた、選び抜かれている。しっかり、お好みの中に加えました。

金曜日の夜ですが、その日だけのことなのかどうか、お客様があまりいません。ようし、応援するぞっ、と張り切る私を、同行者たちは「それではお店が・・」といさめた次第です。

去る人、閉まる店2009年05月08日 22時38分53秒

国立の中華料理「杏仁坊」は、同僚の先生方を含むかなりの方をお連れし、どなたからも賛辞をいただいている、おいしく、安く、客扱いのいいお店です。しかしその好印象は、店長である水野さんの爽やかで快活なもてなしによるところも大。その水野さんから、転勤することになったとの電話をいただきましたので、今日家族で、花束をもってお訪ねしました。

早じまいのところを呼び戻す形になりましたが、最後のおもてなしを精一杯していただき、新メニューもすばらしく、いい夜を過ごしました。最後、私の手を握って、「先生のこと、大好きでした」と言ってくださったのが嬉しかったです。新しい赴任先は、有楽町のイタリアン、スコルピオーネ・スタッツィオーネだとか。ぜひ行きたいですが、有楽町で食事する機会は少ないかも知れません。

最近子供が飲むようになってきましたので、そのまま、ドルチェに移動し、軽く飲んで帰ってきました。そしたら、ドルチェの店長より、「5月一杯で閉店することになりました」というメールが入っているではありませんか。たしかにいつもお客さんが少なく、がんばって欲しいなあと思っていたのですが、お店では何もおっしゃらなかったので、びっくりしました。

杏仁坊の場合、店は残りますが、ドルチェは店ごとなくなってしまいます。絶好のたまり場として使ってきた私としては、困ること、この上なしです。これって、「私の通う店はつぶれる」というジンクスの実現でしょうか。あるいは、バッハ番号の座席のたたりなのでしょうか。

スメターナ2009年03月18日 23時36分17秒

コメント、ありがとうございます。白髪紳士様はついに隠居老人様になられましたか。私が、代わりに白髪紳士でいかしていただきます。

スメターナ。別に、《わが祖国》や《売られた花嫁》を気取っているわけではありません。ロシア料理店です。今日訪れ、ぜひご紹介したいと思うに至りました。

夜、来年度初めの新入生企画の相談で、ロシア音楽/グレン・グールドの研究者、宮澤淳一さんと国立で会食。せっかくだから新しいレストランを発掘したいと思い、「スメターナ」というロシア料理店に入ってみました。私は、自分のお金で食事を楽しむようになってから、ロシア料理に、一度も入ったことがありません。このさい、宮澤さんに教えてもらおうと思ったのでした。

お店に入り、佐藤優さんの本が面白かった、と声高に話していましたら、ママさんが、佐藤さんはよくいらっしゃいます、御本も揃えていますよ、と言うではないですか。さっそく展示を見ると、佐藤さんの著作がな~んと28種類(!!!)揃えられています。さる料理の本には、佐藤さんがこの店を、最高にすばらしいロシア料理、と熱烈に紹介されている。かくしてたちまち、仲間意識が芽生えてしまったのでした。

おいしかったですね。ほんと。ロシア料理が、素材の味わいを素朴に生かしたマイルドな料理だというのは、目から鱗でした。お酒は、グルジアのワインとウォッカ。またぜひ来たいと思います。人生が、これで格段に豊かになりました。それにしても、私がせっせと通ったら、このお店、どうなるでしょうね(笑)。

独創的な料理店2009年02月19日 23時55分04秒

「行きつけのお店」の減少に悩む私ですが、新たに面白いお店を発掘したのでご紹介します。国立駅から大学通りを南に3分ほど歩いた左側のビル3Fにある、「農家の台所」というお店です。

お店自体が、有機野菜の農園風。素朴な若い人たちが、はきはきと迎えてくれます。3800円のコースを頼むと、野菜・魚・肉の比率を選ぶようになっている。私は1回目は5:2:3、2回目(昨日)は4:3:3を選びました。全体に野菜をさまざまに使った独創性あふれる料理が揃っており、色とりどりの有機生野菜をコップに詰めるコーナーも、楽しさいっぱい。一度行ってみてください。

(私とこのお店に行った人は11人いると思いますが、どなたか写真をお持ちではありませんか。もちろん、お店のHPに行けば一発ですけどね。)

刀削麺2008年11月10日 23時16分23秒

最近凝っているのがこれ。こんなにおいしいものがあるだろうか、というノリで食べています。皆さんご存じと思いますが、西安由来の、辛味の太麺です。

お店が、どんどん増えてきましたね。今まではヨドバシカメラの秋葉原店、吉祥寺店の8Fで食べていましたが、今日王立~コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートの帰りに、赤坂見附でお店を発見。カウンターで気軽に食べられるところです。「汁なし」というのに挑戦してみましたが、おいしさは変わらず。サントリーホールからの帰りに、毎回寄ってしまいそうです。

女性ばかり2008年10月05日 23時49分26秒

このごろ毎日のように、カレーを食べています。今日は学会の会議の前に御徒町の「デリー」で食べようと思ったら、若い人たちが、長蛇の列。いつのまにか、人気沸騰しているのですね。

大阪でのお昼に、カウンターでカレーを食べさせる店に飛び込みました。看板はスープカレーの店です。ところが、ふと左右を見回すと、全員、若い女性。帰る人の代わりに入ってくるのも、OL風の女性です。私は、自分が痴漢でないことには自信があるのですが、その判定は女性の主観によるとの説も聞きますので、「この人痴漢です」と言われるのではないかと思い、震え上がってしまいました。

それに近い感覚のあるのが、JRの女性専用車です。朝の9時まで限定ではありますが、カラフルに大書されていますので、きわめて居心地が悪く、10時を過ぎていると確信はしていても、何回も時計を確認してしまいます。周囲を見回すと、のんびり乗っている人もいらっしゃる。きっと、大物なんでしょうね。

ワイングラス2008年09月28日 21時51分56秒

両替商君、異国の報告ありがとう。その異国は、マナーの総量が低いんでしょうか、それとも、総量は一定だが、マナーのありかが違うだけなんでしょうか。「論語」などを頭に浮かべつつ、考えてしまいます。

私事ながら、ビールからワインへの切り替えが着々進んでいます。どうやら、ワインの方がゆっくり寝られるのは確かなよう。ビールは、身体を冷やすように感じるのですがどうなんでしょうか。

ワインを買うのが楽しいのに、知識は全然増えません。昔皆川先生の研究会に入っていた頃、ちゃんと話を聞いておくのでした。

そこで、『ワインの教科書』なる本を購入。まず知ったことは、幅広のワイングラスのうち、口が開いているのがボルドー、口が狭まっているのがブルゴーニュであるということ。空気に触れる、香りを閉じ込める、という目的で、それぞれのワインの特徴とかかわっているんだそうです。皆さん、ご存じでしたか?

髭男爵のグラスは、ボルドーでしたっけ、ブルゴーニュでしたっけ?いずれにしても、あれは赤ワインだから絵になるわけですよね。白ワインじゃまったくさまにならない。なぜでしょうか。

ワインに赤と白があるのは、音楽に長調と短調があるように、すばらしい知恵の所産だと思います。ぶどうの種類や産地の勉強を少ししようと思うのですが、多種多彩で、文章からイメージをつかめるようになるのに、まず日数がかかりそう。それにしても、ワイン評論家の方は、ものすごく語彙の豊富さを要求されるのですね。微細な違いを言葉にしなくてはなりませんから。音楽の方が、まだしも楽だと思います。

〔付記〕CMで判明。髭男爵のグラスは、ボルドーでした。