3月のイベント2009年03月02日 06時59分01秒

短い2月が過ぎ、3月に入りました。恒例のご案内です。

7日(土) 10:00-12:00 朝日カルチャーセンター新宿校 ロマン派音楽史の最終回。後期ロマン派から世紀末までを採り上げます。

8日(日) 10:00-12:00 楽しいクラシックの会(立川市錦町地域学習館) バッハの《シャコンヌ》を中心に、いくつかの話題を提供予定。

8日(日) 14:00-16:30 錦まつりコンサート「私の好きな歌・春に歌う」 出演:小林一男(テノール) 河原忠之(ピアノ) 立川市錦町地域学習館 入場無料ですが豪華版の出演者です。トスティ、スカルラッティらイタリアの歌に加え、團伊玖磨、越谷達之助など、日本の歌も。

12日(木) 15:00 レクチャーコンサート「時間の恵みとしての音楽」 出演:久元裕子(ピアノ)、山崎法子(ソプラノ) セレモアコンサートホール武蔵野 音楽の本質を考えるお話に久元さんの演奏を交えていくというもので、とてもいい内容になりそうです。残念なことに貸し切り公演。いずれ別の機会に広く聴いていただければと思います。

19日(木) 19:00-21:00 バッハの宇宙Ⅲ~《シャコンヌ》の祭典PartII 杜のホールはしもと 出演:小林瑞葉、野平一郎、平澤仁、竹村浄子、三村奈々恵、坂口弦太郎他 バロック・ヴァイオリンによるパルティータ全曲のあと、ブゾーニ編曲、シューマンのピアノ伴奏付編曲、マリンバ版、4つのヴィオラ版(野平氏の第2編曲)を演奏します。昨年度好評を得ての、第2弾です。

28日(土) 13:00-15:00 朝日カルチャーセンター横浜校 バロック音楽連続講座「バッハのチェンバロ曲、オルガン曲」

30日(月) 19:00-21:00 「モーツァルトの美意識を探る~あなたは長調?それとも短調?」 立川アミュー 出演:小泉惠子、品田昭子、本島阿佐子、井之上了史、山下浩司、久元裕子 その他 国立音大スタッフ 作秋新潟と金沢で行った公演をベースに、出演者を増強してお送りします。《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》、ピアノ四重奏曲ト短調、歌劇《魔笛》抜粋。

以上、よろしくどうぞ。

新しい課題2009年02月23日 23時20分08秒

懸案の『カンタータの森』第3巻を出しましたので、次の目標に取りかかる必要が出てきました。ずっと後回しにしていたのが、DVDの百選。なかなか取りかかれませんでしたが、ようやく書き始めました。すばらしい映像に触れて、必要になる多大の時間を楽しもうと思い、自分を後押ししました。

とりあえず2枚分書きました。ムラヴィンスキーのチャイコフスキー第5交響曲と、クーベリックのスメタナ《わが祖国》です。どちらの映像も圧倒的なすばらしさですが、偉大な音楽家による渾身の演奏の記録というのに加えて、歴史や社会と音楽の関係について考えさせる、いい素材になっています。前者のキーワードはソ連、後者は東欧の民主化です。どちらの映像にもリハーサルやインタビューが豊富に含まれていて、参考になります。少しずつ、積み重ねていくつもりです。

もうひとつ予定されているのが、初の論集。こちらはもうゲラになっています。「救済の音楽」という感じのタイトルで、ワーグナー論もいくつか収録される予定です。

2月のイベント2009年02月04日 21時24分40秒

そういえば、もう2月ですね。恒例の、イベントのお知らせを。

7日(土)は、朝日カルチャー新宿校の「新・バッハ/魂のエヴァンゲリスト」の2008年度最終回で、ケーテン時代の2回目。「家庭と教育」の章を扱います。これが10:00からですが、その日は同じ新宿校に13:00からも出演し、「時間と音楽」という話をします。時間論の哲学講座の一部ですが、こういうタイトルで立派なクラスができるというのですから、たいしたものですね。私のあとの回は、哲学関係の先生方の登場です。

8日(日)は「すざかバッハの会」(14:00から)。《マタイ受難曲》の講義が第2部に入ります。恒例「この1曲」は《シャコンヌ》で、お薦めの新譜紹介もするつもりです。14日(土)は、いずみホールのバッハ・オルガン作品連続演奏会の5回目。このシリーズ、ライプツィヒ・バッハ・アルヒーフとの提携により圧巻のコンサートが続いていますが、今回はリューベックのオルガニスト、アルヴィート・ガストが来日し、「バッハと北ドイツのオルガン音楽」というテーマで、ブクステフーデ、ブルーンス、ベームを含めたプログラムを披露します。これは結構注目かな、と思っています。

22日(日)は「たのくら」で(今回のみ日曜日)、「優雅の国、フランスで息抜きを」というテーマでやります(10:00から)。当然、ラモーまで話を進めます。28日(土)は朝日カルチャー横浜校のバロック講座。こちらも「フランスの新世紀」であることに、いま気づきました。今月は入学試験も続くので、案外多忙です。

新著できました2009年01月19日 20時36分56秒

今日、私の新著『バッハ/カンタータの森を歩む3 ザクセン選帝侯家のための祝賀音楽/追悼音楽』(東京書籍)ができあがってきました。解説されているのはBWV193a、198、205a、206、207a、213、214、215、Anh.9、Anh.11、Anh.12、Anh.13の12曲で、BWV213(ヘラクレス・カンタータ)のCDがついています。演奏は、バッハ・コンチェルティーノ大阪です。値段はちょっと上がって、3,800円になりました。

帯の裏面に、「あとがき」からの1節が引用されています。ここでもそれを引用しておきましょう。「バッハは、ライプツィヒ時代(1723-50)の27年間、ザクセン選帝侯国の住民であった。バッハの領主はヴェッティン家の選帝侯であり、選帝侯は同時に、ポーランド王であった。したがってバッハは、事実上ポーランド国民でもあったことになる。ザクセン選帝侯=ポーランド国王とその一家のためのカンタータは、祝賀のにぎやかな式典に演奏されたり、記念日にコーヒー店で演奏されたりした。それらは、教会の礼拝を目的とした教会カンタータ群とは、まったく異なった環境で鳴り響いたのである。このため本巻の研究も、バッハの時代における政治や国際関係、社会や風土の歴史に注意を払いながら進められた。これは私にとって新しい課題であったから、私は研究を通じて多くのことを学び、しばしば、目からうろこの落ちる思いがした。そこから見えてきたのは、バッハにおける聖と俗の深い、密接なかかわりであった。」

万全を期したつもりでも、間違いは、手に取ったとたんに判明するものです。今収録作品を写していて、BWV193aとあるべきところが、表紙でAnh.193aとなっていることを発見。それは仕方がないですが、「あとがき」でCDの録音場所を「いずみホール」と記しているのは重大な記憶違いでした。巻末のデータにある通り、「相模湖交流センター」が正解です(柴田さん、ごめんなさい)。いきなりこれじゃ、宣伝になりませんね。でも、買ってください(笑)。

1月のイベント2009年01月13日 23時18分30秒

忙しい活動を再開した、今週です。恒例のお知らせをご覧ください。

仕事始めは10日(土)の朝日カルチャー新宿校「新・魂のエヴァンゲリスト」でしたが、これはもう終わってしまいました。ケーテン時代に入り、旧著への修正が必要になっている無伴奏曲について、主としてお話ししました。「ヴァイオリンが先、チェロが後」という考えが、ますます強まっています。

17日(土)の「たのくら」は、「年頭もバッハで--カンタータ第140番とコーヒー・カンタータ」です。24日(土)は朝日カルチャー新宿(10:00~)と横浜(13:00~)の掛け持ちで、新宿が西洋音楽史のロマン派第2回「風土の発見~ドイツ・ロマン派から国民楽派へ」。横浜のバロック講座は「イタリアの協奏曲いろいろ」です。

29日(木)の19:00からは相模原の『バッハの宇宙』シリーズ第2回で、「独奏するバッハ~チェンバロ協奏曲の楽しみ」と題し、渡邊順生さんの独奏を中心にお送りします(19:00、相模大野グリーンホール)。曲目はト短調BWV1058、ホ長調BWV1053、イ長調BWV1055、ニ短調BWV1052。すばらしい演奏になると思います。前売り券3000円は私のところにもありますのでどうぞよろしく。

私は出演しませんが、31日(土)のいずみホール『日本の響き』でもお目にかかりたいと思います。今藤政太郎プロデュース「和の音を紡ぐ」第3回で、トリは国宝級キャストによる《勧進帳》です(16:00から)。

冬の旅2008年10月30日 23時48分28秒

学生たちが、《冬の旅》を芸術祭で合同演奏したい、という企画をもってきました。声楽の4年生と、学部・大学院のピアノ科の学生計8人で、《冬の旅》を分担演奏したいというのです。とりあえず指導は引き受けましたが、果たしてどういうものになるか、半信半疑でした。

数回に分けて指導しましたが、8人の意欲がすばらしい。演奏的にはもちろん未熟なところも足りないところもあります。しかしこれなら、と私も本気になりました。今日はそのゲネプロでしたが、まあ聴いていただいていい水準には来たかな、と思います。とくにピアノは、かなりのものです。

というわけで、11月2日(日)、16:30から国立音楽大学SPC-Bでコンサートを開きますので、よろしくお願いします。《冬の旅》は梅津時比古さん、三宅幸夫さんの良書もありますが、私も練習を通じていろいろな発見をし、この作品のすばらしさをかなり理解できるようになりました。これからは、この作品に入れ込んで生きていけそうです。

富田さん講演!2008年10月27日 23時34分15秒

最近は、疲れが遅れて出てきます。月曜、火曜と授業がありますが、問題は火曜日だと、先週の段階から思っていました。「音楽美学概論」という授業があり、そこで音楽と感情の関係について、新しい形で講義しようと思っていたからです。疲れが残ってやる気が出ないと困るな、と気にしていましたが、まあまあなんとか、準備を進めました。まだ完成しておらず、残りは明日、起きてからです。

明日の夕方、バッハ研究所で、富田庸さんが講演されます。「バッハの自筆譜からわれわれは何を学べるか。演奏者と研究者の永遠の課題」と題して、《平均律クラヴィーア曲集》第1巻を題材にお話ししていただきます。

富田さん、バッハの資料を求めて世界を飛び回り、種々の研究プロジェクトを立ち上げ、というように、きわめて精力的な活動を続けておられます。その結果は明らかで、お会いするごとに成長され、学者としての貫禄を身につけてこられました。無料でお話を聞けるのはめったにないチャンスですので、ぜひお出かけ下さい。18時から、国立音大六号館です。《平均律クラヴィーア曲集》の楽譜をお持ちの方は、持参されると役に立つと思います。

イベントのお知らせ(10月)2008年09月30日 23時36分14秒

恒例のお知らせです。

4日(土)10:00 朝日カルチャーセンター新宿校講座「新バッハ・魂のエヴァンゲリスト~ヴァイマル時代(1) オルガンに吹き込む生命力」 

9日(木)19:00 くにたちiBACHコレギウム旗揚げ演奏会「ドイツ・バロックの祈り~バッハとその先人たち」 主催:楽しいクラシックの会(問い合わせ グスタフさんGustav <gustav@mtj.biglobe.ne.jp>) 場所:立川アミュー小ホール 

演奏曲目:J.バッハ モテット《われらの命は地上では影》/シュッツ 十字架上の7つの言葉/ブクステフーデ カンタータ《主を讃えよ》/トゥンダー カンタータ《ああ主よ、あなたのいとしい天使に命じて》/バッハ 《ヨハネ受難曲》のコラール 他 出演:藤井宏樹指揮 くにたちiBACHコレギウム

私が立ち上げた室内アンサンブルが、いよいよお披露目です。バッハ以前の名曲を揃えてみました。ぜひご来場ください。 

12日(日)14:00 講演「バッハ最先端 その5」 主催:すざかバッハの会 場所:須坂メセナホール

(《マタイ受難曲》連続講義は、第1部のクライマックスである「ゲツセマネの園」の場面。「この1曲」はオーボエとヴァイオリンのための協奏曲です。)

25日(土)、26日(日) 日本音楽学会全国大会 場所:国立音楽大学 26日(日) 14:55~ ラウンドテーブル「J.S.バッハとC.P.E.バッハ~創造的受容をめぐって」 パネリスト:久保田慶一、小林義武、富田庸 コーディネーター:礒山雅

(イギリスから富田庸さんに駆けつけていただき、こうしたパネルディスカッションを行います。高度な専門性にご期待ください。)

二度と聴けないパパゲーナ?2008年09月04日 23時44分17秒

今日は大学で、金沢/新潟のコンサートのリハーサル。私の大学のプリマドンナ、澤畑恵美さんの気品ある歌唱にはいつもながらほれぼれしますが、今回はパミーナのアリアと二重唱に加えて、パパゲーナの二重唱も歌ってくださいます。初めてだそうで、とても楽しそうに歌われていました。唯一無二の機会になるかもしれませんから、北陸の方々、楽しみになさってください。

アメリカの大統領選挙がまたにぎやかになってきましたね。私はずっとそれ関連の記事を追いかけているのですが、gooニュースに加藤祐子さんの書かれている「大手町から見る米大統領選2008」という連載がお勧めです。私の存じ上げない方ですが、よく勉強されていて情報量が多い上に、奔放な筆遣いが面白く、楽しみに読んでいます。どの世界にも、輝いている女性はいるものですね。

9月のイベント2008年09月03日 21時43分32秒

9月のイベントをお知らせします。今月は北陸への演奏旅行が大学の公式行事としてあり、松本にも出かけます。

5日(金) 19:00 石川県文教会館(金沢) 2000円 レクチャーコンサート「モーツァルトの美意識を探る~あなたは長調、それとも短調?」 アイネ・クライネ・ナハトムジークト長調/ピアノ四重奏曲第1番ト短調/歌劇《魔笛》抜粋 出演:澤畑恵美、品田昭子、山下浩司、久元祐子 国立音楽大学教員、卒業生

8日(月) 19:00 新潟市音楽文化会館 レクチャーコンサート(5日に同じ)

13日(土) 10:00 立川楽しいクラシックの会 「百花繚乱・バロック音楽その16~いよいよバッハの無伴奏」

20日(土) 16:00~17:30 松本ハーモニーホール 講演「弦楽四重奏こそベートーヴェン!」(古典四重奏団によるベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏へのプレレクチャー)

27日(土) 13:00 朝日カルチャーセンター横浜 「バロック音楽の名曲を聴く~若きバッハの音楽」