気持ちの落差2009年10月10日 22時50分39秒

今日は美学会全国大会の会場である、東大本郷へ。駒場で3年、本郷で8年を過ごした私は、その後も研究会やら非常勤講師やらでたびたび東大を訪れていましたが、今日は本当に久しぶりです。おかげで、お茶の水からの地下鉄のホームを間違えてしまいました。

本郷三丁目から赤門への道を歩くと、いろいろな思い出が蘇ってきます。しかし若い頃のことですから、さまざまなプレッシャーを感じて辛い時代だった、というのが正直なところ。時間が経つとずいぶん傍観者的になるものだな、と思いつつ、周知のキャンパスを逍遙しました。

研究室自体怖いところだったわけですが、偉い先生の揃う学会の怖さは格別で、その都度気が重く、発表ともなると緊張の極。音楽のことを述べているのに、直接かかわらないと思える(あるいは根底にあるのだが自分が気づいていない)哲学的な質問をされ、目を白黒させたことも何度かありました。

しかるに今は・・・。自分自身が年かさの世代になっていますから、存外楽な気持ちで、会場に入っていけます。それなりに責任の重い研究発表の司会を余裕綽々(?)に進めている自分をもう一人の自分が眺めて、落差に月日の経ったことを実感しました。年をとることにも、良さがあります。