充実した今年の学会2009年10月25日 23時33分43秒

関西支部を母体に、大阪大学で行われた、今年の学会。ここ数年でも、際立った内容であったように思います。数多い分科会が並行して行われ、内容が変化に富んでいた上、大家やベテランの方々が、何人も発表してくださいました。

皆さんがどのぐらい研究発表を大切にし、入念に準備して臨んでくださったかをよく示しているのが、ハンドアウト。じつに克明、情報量豊かなハンドアウトがすべての発表で配られ、適当に口頭で、というものは、私の見るかぎりひとつもありませんでした。バッハを中心としたセクションでは4人の名のある方々が発表されましたが、その方々の勉強ぶりもすごかった。日本の音楽学会はレベルが高い、というのが、海外の事情を知る先生方の一致した意見でした。

頭が下がったのは、ご高齢をいとわず最新の研究を発表された、皆川達夫先生。5年前の出版以降に、あるおらしょの原曲としてよりふさわしい曲を発見なさったそうで、その際の選曲は不適切でした、おわびします、と頭を下げられたのにはびっくりしました。もって範としたいと思います。

5泊6日に及ぶ大阪滞在でしたので、学会がつつがなく終了したあとは、快い安堵感に包まれました。たくさんの方々に貢献していただいたおかげです。