よき伝統 ― 2009年10月06日 23時32分11秒
出ました、朝青龍のガッツポーズ!それくらいいいじゃないか、というのが、すでに多数派でしょう。内館牧子さんのようにあくまで食い下がるのは、またか、と思われるかもしれない。でも私は、内館さんを支持します。理由はまさに彼女が言われていることで、国際的なスポーツになるのなら何の違和感もないが、その場合には国技の看板を下ろさなくてはならない、ということです。伝統と結びついた様式美こそ、相撲の本質だと考えます。
なし崩しにグローバリゼーションが進む世の中で、日本の伝統的価値のよいものはぜjひ継承すべきだ、と、私は思っています。勝っておごらず、負けて悪びれずというのは将棋にも同じく通じる価値観で、将棋の感想戦など、見ていて、どっちが勝ったのかがわからないほど。こうした奥ゆかしさがあるからこそ、将棋は勝負事を超えて、芸になっているわけです。
選挙の期間を通じて、日本を変えよう、という言葉が叫ばれ続けました。日本の政治を変えよう、とか、日本のよくない部分を変えよう、というのならわかりますが、とにかく変えてしまえ、という発想にはなじめません。ある程度外国を知っているものとして、日本には日本にしかないいいものがたくさんある、と確信しているからです。
新政権に何を望むか、とマイクを向けられた若い女性が、「日本を変えてください!」と叫びました。日本のよきものへの敬意がまったく感じられない語調で、私は、残念に思いました。知性派がずらりと揃った民主党に比べると自民党の古色蒼然たる印象には意気阻喪しますが、良質の保守主義を大事にしたい、という価値観は結構で、このさい洗練してほしいと思います。
最近のコメント