今月のCD2009年10月30日 22時50分36秒

今月のCD三選は次の通りです。

①ハイドンとモーツァルト 久元祐子(フォルテピアノ)(ALM) ②フランシスコ・タレガ作品集 國松竜次(ギター) (フォンテック) ③円環と交差~岡田博美プレイズ三善晃(カメラータ)

①は久元さんの最新録音で、モーツァルトの初期ソナタ3曲、ハイドンの2曲が収録されています。最近久元さんとよくコンサートをやっていて、この談話でもしばしば言及しているのでちょっと気が引けますが、毎日新聞で紹介するのは初めてなので選びました。今回はヴァルターのフォルテピアノを使用しているため響きが作品に寄り添って美しく、繊細な表情が心に染みる演奏になっています。

久元さんの演奏にはいつも卓越した洞察力を感じますが、それに共通するものを若手ギタリスト、國松竜次さんのタレガにも発見して、びっくりしました。《アランブラの思い出》などの小品が國松さんの洞察力により、対位法的な立体感をもって浮かび上がってくるのです。この感性に、これから注目したいと思います。

③では三善晃さんのピアノ曲集を、岡田さんが透明度高く再現しています。《音の栞》という曲集は学習者用のものだそうですが、綾なす洗練の中に童心のきらめくとてもいい曲で、広く親しまれてほしいものです。というわけで日本人のものばかり3点を選び、DVDは入れませんでした。