新年のご挨拶2013年01月02日 08時15分12秒

皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

定年後に迎える最初のお正月。今年は流れにまかせながら、昨年の後半と同様、ひとつひとつのことを丁寧に、準備してケアしていこうと思います。去年1つだった非常勤は3つになりそうで、カルチャーも(生活のために)増やしましたから、かなり忙しくなりそうな予感。体調に気を配らなくてはいけませんね。

ここしばらく、年賀状に手抜きをしていました。今年も作らぬまま新年を迎えてしまいましたが、元旦にいただいた枚数はかなりのもので、その中には、目上の方々も含まれています(汗)。失礼ながら、後追いで処理することにいたします。

新年の楽しみは、やはり箱根駅伝ですね。いつも何の関係もない特定の大学を応援しているので、今年も楽しみたいと思います。早起きして、1区から見ています。ともあれ、皆様のよき新年をお祈りいたします。

過ぎゆく年の思い出2012年12月31日 15時11分15秒

皆様今年もお世話になりました。写真を平素管理していないのでわずかなのですが、今年の思い出のスナップを3点、最後に公開します。


3月、いずみホールでヴォルフ先生と。バッハのオルガン作品シリーズの大成功は、先生のご協力のたまもの。この日の演奏者はロレンツォ・ギエルミ氏でした。


この写真、もっと大きくしたかったのですが、できないようです。12月、須坂でのコンサートの終了後に。前列左から谷口洋介さん、久元祐子さん、私、大峡喜久代さん(すざかバッハの会会長)、岩森美里さん、大武彩子さん。後列はスタッフですが、中央がトラヴェルソで出演の塩嶋達美さん。その右に、まさお君の顔も見えます。人間の身体の大きさの様々を実感させる写真ではあります(汗)。


この写真、もっと小さくしたかったのですができないようです(汗)。12月、立川でのコンサート終了後、大爆発の興奮さめやらぬ(?)塚越慎子さんと。

今朝思わぬ方からワインをお送りいただいたので、今夜はそれを飲みながら年を越します。思い出のある、しかしなかなか出会えない、シチリアの「ドンナ・フガータ」というワインです。送ってくださった方のアドレスを知りませんので、ここに感謝を記しておきます。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

2012年回顧2012年12月25日 15時26分40秒

クリスマス、いかがお過ごしですか。ちょっと早いですが、今年の回顧をさせてください。

今年は、ずいぶんがんばった実感があります。定年で未知の世界に踏み出しましたが、あちこちに足を伸ばす生活になったのは想定外で、秋から年末にかけての盛り上がりも、予想を超えたことでした。

1つ1つの仕事を前より丁寧にケアする、という原則を立てました。これによって時間は詰まってしまいましたが、諸々のイベントの成功率が高くなり、関係させていただいている団体や会と、結びつきをいっそう深めることのできたのが何よりでした。反省としては、まとまった勉強ができなかったことです。そこで、今年の十大ニュース、いかせてください。

1.定年で国立音大を退職。在職中は多くの方々にお支えいただき、感謝しております。招聘教授、名誉教授の肩書きをいただきました。
2.くにたちiBACHコレギウムの仲間たちと、日本初演後80年記念の《ロ短調ミサ曲》を演奏。生涯の思い出です。
3.日本音楽学会会長として最後の全国大会を迎え、「音楽と宗教」に関するシンポジウムをコーディネート。
4.ライプツィヒ・バッハ祭で、受賞者鈴木雅明さんに寄せる祝辞。
5.いずみホールのウィーン音楽祭 in Osaka、内容・集客とも大成功のうちに閉幕。オルガン・シリーズが好調でバッハのオルガン作品全曲演奏会をスタートさせられたのも、大きな出来事でした。
6.大阪音大から客員教授としてのお招きをいただき、講演会を2回開催。
7.すざかバッハの会10周年。《ロ短調ミサ曲》をテーマにお話しし、最後に記念コンサートを催して涙しました。
8.まつもとバッハの会で11年ぶりに連続講座を再開。ステージから転落の出来事付き。
9.同僚の先生たちと『教養としてのバッハ』を出版(アルテス・パブリッシング)。著作がこれだけにとどまったのは反省。
10.サントリー芸術財団の仕事をお手伝い。とくに心に残ったのは、ウィーン・フィルのメンバーにくっついて被災地を訪問したことです。

と挙げてみましたが、聖心女子大に2年ぶりに出講したこと、「楽しいクラシックの会」がワーグナー・プロジェクトやコンサートで盛り上がっていること、「古楽の楽しみ」の放送がリレー企画などにより順調に進んでいること、など大事なことが入れられませんでした。ニュース性を優先した結果です。関係の方々、申し訳ありません。

何より、体調が良かったことでこのように活動できました。ありがたいことです。

準備は嘘をつかない2012年12月16日 08時17分10秒

岩森美里さんの思い出をひとつ。

国立音大の新入生企画、「基礎ゼミ」のチーフをずっとしていましたが、「お話」と題された演奏付きの小講演を、岩森さんにお願いしたことがあります。岩森さんが前の年のクラス授業で抱腹絶倒、しかも内容のあるお話をされ、これは新入生全員に聞かせたいな、と思ったからです。

果たして、さまざまな体験を笑いながら伺ううちに心が人情味に満たされてゆくという、みごとなお話。河原忠之さんのピアノで最後に歌われた《小さな空》が満場を感動で包んだのは、聴き手がお話に引き入れられていたためでもあります。

その思い出話を別の方としていたとき、あのとき岩森さんはたいへんな準備をされたのだと知らされ、びっくりしました。ごく自然に、湧き出るように話が進行していたからです。ご本人に確認したところ、「お話」を振られた重圧は大きく、原稿を書き写真を準備した上で、90分に合わせて何度も練習した、とのこと。なるほどそれでこそあの結果か、と、すっかり感心してしまいました。

そんな刺激もあり、私もできるかぎりの準備をしてイベントに向かうよう、心がけています。日頃よく「ツキ」のお話をしますが、ツキ以上に嘘をつかないのは、準備であるからです。13日の大阪音大の講義も、バッハの音楽と修辞学の関係を根本的に見直す、ありがたい機会になりました。今日のモーツァルト・フェラインの講義も、あと数時間準備して、万全を期したいと思います。

重い夢2012年12月05日 08時56分33秒

縁起でもないですが、この世が滅びる夢を見ました。原動力は地球の彼方で使われる核兵器なのですが、それに備えるプロセスや使用後の刻一刻という状況など、リアルな細部をもつ、長い夢でした。

滅びの前に夢は終わったのですが、目が覚めても「ここはどこだろう・・・自分は生きているのだろうか」という茫漠感が先立ち、なかなか現実に戻れません。

同じ夢を過去に見た記憶はないので、なぜ自分はこういう夢を見たのか、と考えました。心理学などでは、理論があるのでしょうか。

著名人が集まった昨夜の会議の重さ、その疲労。親戚筋に出た病人の心配。うち続く選挙報道の影響。最近の多忙により持続していた、緊張感。ことによると、健康状態悪化の予感。そのどれかなのか、それらの複合なのか。起きてみると、中村勘三郎さんが、まだ若いのに亡くなっておられました。合掌。元気が出てくるまで、ちょっと時間がかかりそうです。

映画2012年12月03日 23時35分21秒

今日は、昼に歌舞伎鑑賞、夜は映画鑑賞。--いかにも優雅に聞こえますが、実態は、芸術賞審査のための必死の予習です。他分野の候補に対しても、見解を述べなくてはならないからです。

歌舞伎はそうでもないですが、映画館に入るのはまことに久しぶり。20:25というのはずいぶん半端に始まるものだな、と思っていたら、最初の5分は予告編なんですね。そうそう、最初は予告編だったなあ、などと記憶を呼び起こすぐらいなので、数十年単位の久しぶりかもしれません。

お客様は、たったの4人。しかしこの映画がじつにすばらしかったのです。私は感動して、涙止まらず。映画もいいですね!テレビと違って、サシで集中して鑑賞し、音楽もしっかり聴きますから、すぐれた作品だと、見返りが大きいです。

発表は新年なので、その映画が何かを記せないのが残念。音楽の世界でもほんのわずかしか立ち会えないのに他分野までは日頃手が回らないのですが、お仕事でかかわった結果、こうした感動に巡り会うことができました。今日も「ありがたい」一日でした。

さあ学会!2012年11月23日 11時20分50秒

日本音楽学会の全国大会が近づいてきました。私の役割は、全国役員会(今日夕方)と総会・懇親会(土曜日)の立ち会い、クロージング・シンポジウム(日曜日15時15分から)の司会です。シンポジウムは宗教音楽とは何か、その研究はいかにあるべきかを論じるものですが、ここしばらくメールが飛び交い、準備が進んできました。パネリストの方がたいへん内容のある報告を用意してくれていますので、私の舵取りさえしっかりすれば、盛り上がるのではないかと思います。

6年の会長職の最後、多忙だった秋の一区切りともなるイベントを迎え、意外に緊張しています。会場である京都の西本願寺に向けて、これから出発します。

健康法2012年11月22日 10時51分05秒

定年後半年以上過ごし、健康には何が大切か、はっきりわかりました。当たり前の答ですが、身体を動かすこと、それに尽きます。

しかし。テニスをやる、ゴルフをやる、という方ならともかく、運動神経がまったくなく、平素スポーツの習慣がない私には、これは簡単なことではありません。おまけにデスクワークでいつもパソコンの前にいます。歳を取るにつれて身体を動かすのも面倒になってくる、という傾向を感じていました。

ひところ、電車で帰ってくると席から立ち上がるのも面倒、バスを降りて家まで歩くのも面倒、という時期がありました。人に見せられない、とぼとぼ姿です。昔やった山歩きを少しずつ再開すれば、とも思いますが、それも、もちろん面倒。体重の増加が、それに拍車をかけます。

活路を開いたのは、観光でした。先日お話しした法隆寺や和歌山、伊勢志摩への観光は、その一例。私は観光地に行くとどんなに疲れてもひたすら歩き回り、高いところがあると必ず登ってみる、という主義なので、ずいぶん身体を動かします。そこで気づいたのは、へとへとになるまで歩くと事後身体が軽くなり、歩く意欲にみなぎってくる、ということでした。

最近では、居住地や都心などつねに新しい街路を探索していますし、深夜の駅からも、タクシーに乗らずに歩いてしまいます。何分歩く、どのように歩く、などテレビでも健康法の指南がありますが、単純に、歩けば歩くほどいい、ということではないかと思います。伊勢神宮を訪れたさいに、東海道五十三次をやったらどうなるだろうか、と考え始めました。多分やりませんが・・・。

秋の海景色2012年11月16日 08時04分17秒

14日(火)は、名古屋で起床。大阪のコンサートは19:00からですから、時間があります。紀伊半島を一周しようかと思って南紀のガイドブックを買っておきましたが、一番の特急を逃がしてしまい、方針を変更して、鳥羽に行くことにしました。

伊勢志摩は訪れたことがなく、車中、スマホを駆使してにわか勉強。鳥羽駅で降りるとさっそく目に入る海景色に、心を癒されます。裏山、日和山山頂からの眺めはとくによく、いくつもの島が折り重なるように展開しているさまに、しばし見入りました。日本はいいなあ、というのが実感。知らないところがたくさんありますので、機会をとらえて訪れてみたいと思います。

海の幸豊富な土地柄で、食堂のメニューは全部食べてしまいたいと思うほど。迷った末、「アワビ丼」と地ビールを注文しました。満足したあとは伊勢神宮の外宮(げくう)を見て、大阪に移動しました。

「ウィーン音楽祭」6つ目は、ウィーン弦楽四重奏団です。これまでずいぶん貢献してくれた団体でファンも多く、客席の盛り上がりもなかなかでしたが、メンバーの高齢化による影響が演奏に出ていたことも見逃せません。今後の世代交代、どうなるでしょうか。

法隆寺2012年10月26日 10時46分04秒

昼間時間が空きましたので、法隆寺を訪れました。「死ぬまでに一度は見ておこう」という、最近の価値観です。奈良はいつも東大寺、若草神社の周辺で、有名な法隆寺には行ったことがなかったのです。

大阪城公園からものの30分少々で、法隆寺駅に着きます。周囲にお店のほとんどない、ひっそりとした駅であることにまずびっくり。法隆寺そのものも想像していたよりシンプルでしたが、時代を考えてみれば当然ですね。展示されている飛鳥時代の文化財など、昔の人の丹精が偲ばれて、すばらしいものでした。

境内を出て、斑鳩神社、法輪寺、法起寺のコースを回ってみました。行き交う人も少なく、じつに伸びやかな一帯。心が広々と安らぎます。いい加減疲れてきたころ、柿の直営販売のお店を発見、120円の大きいのを一つ買い、歩きながら食べました。鐘は鳴りませんでしたが、たいへんおいしく、童心に帰った気持ちになりました。

夜は音楽祭関連のディナー。格式の高いお店だったのですが、食事中気分が悪くなり(←手術の後遺症で脂濃いものがたいていダメなのです)、まことに失礼ながら、途中退席。同席の方々、申し訳ありませんでした。やはり、ツキの総量には限界があるようです。